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「現人神」「国家神道」という幻想

近代日本を歪めた俗説を糺す

著:新田 均

紙版

内容紹介

「現人神」「国家神道」――これらの言葉から、現代の日本人はどんなイメージを連想するだろうか。おそらく、狂信的な「天皇崇拝思想」と、それを支えた「国教制度」といったとこだろう。そして、この「日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度」は「明治政府が日本の近代化のために考え出した」などとされている。▼だが著者は、「そのような認識は思い込みに基づく幻想にすぎない」と喝破する。それは最近の実証的歴史研究の成果に照らしても明らかなのだが、これが意外と世間では知られておらず、歴史の専門家でさえ、少し分野が違っただけで知らない者が大多数なのだという。世間で知られていないことがそれほど大きな意味を持たないなら、それでもかまわないのかもしれないが、この「幻想」はわが国の首相の靖国神社参拝問題や政教関係訴訟、さらには教科書問題や外交関係にまで影を落としている。▼“虚像”が誰によって、いかにして創られたかを検証する。

目次

[第1部]「現人神」という幻想 ●第1章 通俗的な「現人神」論の崩壊 ●第2章 明治初期から「教育勅語」の発布のころまで ●第3章 「教育勅語」の発布から第一次世界大戦のころまで ●第4章 第一次世界大戦から満洲事変のころまで ●第5章 満洲事変以降 ●第6章 「創られた伝統」としての「現人神」 [第2部]「国家神道」という幻想 ●第1章 「国家神道」は如何にして創られたか――「幻想」の系譜をたどる ●第2章 神社参拝は「法的に」強制されたか? ●第3章 強制された「事実」とは? ●第4章 「神社非宗教」論とは何だったのか ●第5章 「幻想」を必要としているのは誰か ●第6章 蜃気楼が消えた後には?

ISBN:9784569626543
出版社:PHP研究所
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2003年02月
発売日:2003年02月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRAX