出版社を探す

PHP新書 193

朝鮮銀行

ある円通貨圏の興亡

著:多田井 喜生

紙版

内容紹介

日露戦争によって韓国は日本の保護国となった。朝鮮銀行は、明治四十二年、韓国銀行として設立、翌年の韓国併合で朝鮮銀行と改称され、太平洋戦争終結により閉鎖されるまでの三十六年間、軍事行動と結びついて東アジアに円の通貨圏を形成していった。大陸前進兵站基地――これが朝鮮半島の位置づけであった。そして朝鮮銀行は満州や華北へ積極的に進出し、朝鮮に京城本店以下24店、旧満州に26店、シベリアに8店、中国関内に40店、内地に9店、それにニューヨーク出張所とロンドン派遣員事務所を含め、延べ109店の営業網を東アジア一帯に展開した。朝鮮銀行の店舗展開は、国策と深くかかわっていた。また貧弱な国力の日本が戦費を調達し、戦争を継続していけたのは朝鮮銀行の存在があったからである。本書は、通貨金融の面から明治期の朝鮮半島進出、シベリア出兵、「預け合」による日中・太平洋戦争の戦費調達まで、日本の大陸政策の歴史を辿る。

目次

●第1章 第一国立銀行の朝鮮進出 ●第2章 韓国併合を進める日本 ●第3章 朝鮮銀行、満州へ進出 ●第4章 第一次世界大戦と中国借款 ●第5章 シベリア出兵と鮮銀券の“シベリア出陣” ●第6章 ロマノフ金貨の買い取り ●第7章 金融恐慌時の朝鮮銀行 ●第8章 満州事変と中国の幣制改革 ●第9章 日中戦争と戦費の調達 ●第10章 太平洋戦争下の朝鮮銀行 ●第11章 終戦と朝鮮銀行の閉鎖 ●第12章 韓国銀行発足と朝鮮戦争

ISBN:9784569620251
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:740円(本体)
発行年月日:2002年02月
発売日:2002年02月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF