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昭和の宿命を見つめた眼

父・高坂正顕と兄・高坂正堯

著:高坂 節三

紙版

内容紹介

いま日本はアメリカに追いついた後、未来展望を見いだせず深刻な閉塞状況に陥っている。まさに五大国入りしたのち追い詰められ大東亜戦争に突入した「あの時代」と似ているのではないか。▼開戦直前、高坂正顕を含む西田幾多郎門下生(京都学派)の面々は「世界史的立場と日本」座談会で、近代機械文明の行き詰まりからくる近代人の精神的煩悶、傷ついた心について言及し、「東洋の思想で精神の自立を成し遂げられないか」と真剣に議論した。一方、戦後を代表する国際政治学者・高坂正堯は現実主義外交で日本の繁栄を演出しながらも、湾岸戦争後は父の残した「日本の自立」という課題に取り組み答えを見出そうと苦悩した。▼本書では、近代日本の宿命に対峙した父と子の高貴なる精神のドラマを近親者である著者の眼を通して描き出す。▼アメリカの呪縛から脱し、自らの文化・伝統に基づく価値で物申すための姿勢と方向性を考える渾身の力作。         

目次

●第1章 「糺の森」に見守られた学者二代 ●第2章 思索者の梁山泊・西田幾太郎門下の人々 ●第3章 カント研究者として世に出た父 ●第4章 大東亜戦争と京都学派 ●第5章 追憶の少年時代――大戦末期と疎開体験 ●第6章 敗戦、そして公職追放 ●第7章 「教育哲学」と「期待される人間像」 ●第8章 反発と共感――時代と格闘した父と子 ●第9章 昭和の宿命を見つめた眼

ISBN:9784569613574
出版社:PHP研究所
判型:4-6
ページ数:280ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2000年11月
発売日:2000年11月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ