「商い」から見た日本史
市場経済の奔流をつかむ
著:伊藤 雅俊
著:網野 善彦
著:斎藤 善之
紙版
内容紹介
日本の商いは千年の歴史を持つ。この国に繁栄をもたらし続けたのは商人の力である。▼本書ではイトーヨーカドー・グループの創業者と日本を代表する歴史家が、商いの真髄を語り合う。▼日本の商いの「形」はどのように形作られ、今に受け継がれたのか。「中世の商いは神と共にあった」と網野氏は語る。例えば「聖なる場所で商品は取引され、利息は神仏に対するお礼として支払われていた」と紹介する。さらに「卸・小売のネットワークは中世に成立し、全国津々浦々に都市が出現していた」と、インフラの充実振りを解き明かす。一方斎藤氏は、江戸後期には民間の海運企業が活躍し、彼らの中には外交官的役割をこなす人物も存在した」「彼らはそれぞれの地域の消費需要に対応し、特産品を全国に広め日本経済を活性化させた。市場経済の確立がなされていた」と主張する。▼お上頼りではなく、市場の原理でビジネスしていた先達に、商人の生き様を学ぶ書。
目次
[1]中世の日本、商いは“神”とともにあった ●時代劇とはまったく違う、「百姓」の実態 ●「市」は、どのようにして発生したのか ●「宗教」は、商業といかに関わったのか ほか [2]江戸時代、商人たちは市場経済を創造した ●中世から近世へ――商人たちの戦国時代 ●初期豪商の栄光と没落――近世初期・十七世紀前半 ●流通システムを再構築した男・河村瑞賢――近世前期・十七世紀後半 ほか