家康と正信
最後に笑った主役と名補佐役
著:童門 冬二
紙版
内容紹介
来年度のNHK大河ドラマ『葵~徳川三代』は徳川家康、秀忠、家光の三将軍が描かれる。このうち家康、秀忠の二将軍の参謀として活躍したのが本多正信である。というより、そもそも家康を天下人にし、徳川幕府の青写真を作った陰の立役者が正信だったといっていい。 正信はもともと一向一揆の旗頭として家康に刃向かった身であった。しかし家康は正信を許し、それどころかその才能を高く買って、自分の最高のパートナーとしたのである。正信の方もまた、信長、秀吉の次は家康といち早く見ぬいて、徳川政権樹立のためにあらゆる知識を総動員したのである。 こうして二人の力で江戸幕府を開いた家康と正信は、当時「水魚の交わり」と評されるほどに親しい間柄となった。信長は参謀を持たなかった。秀吉には半兵衛と官兵衛がいた。しかし家康と正信はそれに勝るとも劣らぬ戦国最強のコンビといってよい。並み入る戦後大名たちを出し抜いていく二人の姿が楽しい。
目次
●おれは殉死しないぞ ●家康に背いた罪 ●弱小松平家の苦悩 ●太原雪斎の教え ●竹千代の利発さ ●信康の切腹 ●民情調査で才能を示す ●合戦嫌い ●家康の複雑さ ●正信の競争心 ●信長との信頼感 ●伊賀越え ●正信の甲州経略 他