PHP文庫
ボケママからの贈りもの
働きながらの在宅介護の記録
著:藤原 瑠美
紙版
内容紹介
健康で長生きすることをどんなに望んでも、人は必ず老い、ときには身体が不自由になる。八十歳を越えると四人に一人の確率で痴呆になるとも言われている。老人介護は他人事ではなく、すべての人の問題なのだ。▼本書は、銀座和光で女性部長として要職を続けながら、痴呆の母の在宅介護を貫き通した五年半の記録を綴ったものである。「キャリアは自分の生きがいであり、介護費用のためにも投げ出したくない」。――母の痴呆を知ったときからの決意をまっとうできたのは、訪問看護ステーション、社会福祉公社など九〇年代に次々と誕生した社会の手に助けられたからだった。”寝たきり”にするのではなく、おしゃれを楽しみ、清潔にし、おいしい食事も味わい、人間らしい生きかたを実現させることができた。また、様々な困難を乗り越え、母の介護に向き合うことで自分自身が癒されもした。▼介護に直面するすべての人に、人間性豊かな介護のありかたを問いかける一冊。
目次
●第1章 母のボケはこうして始まった ●第2章 わが家の在宅介護最前線 ●第3章 人の輪が広がる ●第4章 老人と共に生きる ●第5章 ママは最後の家族――六年目の今