PHP文庫
参謀の戦争
なぜ太平洋戦争は起きたのか
著:土門 周平
紙版
内容紹介
新プロジェクトや大事業をすすめるときに、日本人が留意しておくべきポイントは何か? 太平洋戦争を近代日本における国家的大プロジェクトと考えた場合、開戦前夜の様相ほど、これを考えるのに恰好の材料はない。 太平洋戦争直前の数年間の日本の政治は、軍事、外交、内政がからんで、実に複雑である。本書は、日本がなぜ勝算のなかった太平洋戦争に突入しなければならない状況に陥ってしまったのか。国家意志としての開戦決定のプロセスを、昭和14年、「太平洋戦争の縮図」ともいえるノモンハン事件から戦争突入までの2年間を、東京裁判史観や参謀本部資料を徹底して排し、日米開戦の「失敗の本質」を明らかにした戦史研究書である。 戦争原因を取り扱った研究書は、いきおい膨大なものになりがちだが、通説に惑わされず、確実な資料に基づき、人間を中心にして史実を再構築した本書は、戦史研究はもとより、日本人の本質を考える上でも一級の作品である。
目次
●第1章 昭和十四年夏、第二次世界大戦勃発 ●第2章 太平洋戦争の背景となった昭和十五年夏 ●第3章 昭和十六年春、戦争を断念する陸軍中央部 ●第4章 国際情勢に引きずられる昭和十六年夏 ●第5章 戦争目的の混迷