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PHP文庫

佐々成政

己れの信念に生きた勇将

著:郡 順史

紙版

内容紹介

 秀吉の織田家奪盗は断じて許せぬ!

 成政の純な心が燃え上がった。

 なんとしても家康に逢い、秀吉討伐に立たねばならぬ。それには敵陣の中、越中から真冬の北アルプスを越えて行かねばならない。成政は必死の形相の従臣たちに向かってこう言い放った。 「佐々の存亡はこの一事にかかっている。皆の生命をわしにくれ」と――。

 信長への忠義の念から、秀吉の天下奪取に抵抗し続けた佐々成政。

 武人としての誠実さに殉じた男の生涯を描く書き下ろし歴史小説。

 成政はなぜこれほどまでに秀吉の存在を認めず、憎しと思ったのであろうか。

 それはやはり、互いの出自の相違、往時における両者の関係などに由来するのだろう。

 さらに、忘れてならないのは、成政の信長に対する忠誠心である。

 成政は主君信長に対し、信仰に近いほどの崇敬の念を抱いていた。

 信長亡きあと、その恩義を忘れ我がもの顔に振る舞う秀吉は、憎悪の対象以外の何ものでもなかったのである。

 (本書より抜粋)

 文庫書き下ろし。

ISBN:9784569568614
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:344ページ
定価:720円(本体)
発行年月日:1996年