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北欧学派のマーケティング研究

市場を超えたサービス関係によるアプローチ

編:村松 潤一
編:大藪 亮

紙版

内容紹介

北欧学派の重鎮、C.グルンルース教授推薦!

20世紀の工業社会において、マーケティング分野で非常に大きな影響力を持ったコトラーのマーケ ティング理論は、ミドル・マネジメント向けで市場におけるモノの取引を主な対象としているため、 現代の先進国、特に日本のように半世紀近く前にはすでにいわゆる物質文明から精神文明の社会へと向かっていた国では、その有効性に限界がある。  
このような中、北欧学派の、プロセスとして捉えるサービス概念を中軸に据えたマーケティングは、 社会におけるサービス化が急速に進む今日にあって、理論的にも実践的にもマーケティングに新たな 論理基盤を与えることが期待されている。  
本書は、精力的に北欧学派の紹介を行うとともに、そこからさらに発展させた「日本学派」としての発信を目指す研究者たちの成果の集大成である。  
第1部では、サービス・マネジメント、サービス・ロジックといった主たる研究フィールドにおける、グルンルースを中心とした北欧学派の主張について詳細にレビューしている。彼らの一連の業績は マーケティング研究、特にサービスを軸としたマーケティング研究や実践に大きなインパクトを与え続けている。  
第2部においては、第1部でレビューを行った研究フィールドが抱える問題点を各章において指摘した上で、北欧学派のアプローチをベースとする実証的研究を中心に展開する。これは、日本の研究 者や実務家に、北欧学派の思想や研究の有効性について検討・議論する機会を提供し、日本における サービス研究のさらなる進展を図ろうとするものである。 心の豊かさが所有権の移転を旨とする市場ではなく、生活世界でのサービス利用によってこそ十分に満たされる社会になりつつある。高度な研究書ではあるが、実務家にも付け焼刃でない発想の視座を得られるであろう。

目次

クリスチャン・グルンルース教授の推薦文
はしがき

第1部 文献レヴュー
第1章 マーケティング研究と北欧学派
第2章 サービス研究における北欧学派のアプローチ
第3章 サービス・マーケティング
第4章 サービス・マネジメント
第5章 サービス・ロジック
第6章 サービス・クオリティ
第7章 リレーションシップ・マーケティング
第8章 インターナル・マーケティング
 
第2部 経験的研究
第9章 サービス・プロセスとビジネスを持続させる技術
第10章 日本の医療におけるサービス・マネジメント・アプローチ
第11章 企業はどのように顧客の価値創造プロセスを支援するか
第12章 期待マネジメントに関する実証研究
第13章 理美容業におけるリレーションシップ
第14章 インターナル・マーケティングとサービス文化
第15章 顧客経験ダイナミクスに関する質的研究
第16章 新たなマーケティング理論の構築に向けて

ISBN:9784561662389
出版社:白桃書房
判型:A5
ページ数:320ページ
定価:3182円(本体)
発行年月日:2021年02月
発売日:2021年03月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJS