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電子書籍並行刊行

共観創造

多元的視点取得が組織にもたらすダイナミズム

著:竹田 陽子

紙版

内容紹介

企業が独創的な製品、サービスを創造することは、ますます重要になってきているが、創造性を発揮し、「0から1」を創り出すことは、簡単ではない。

本書では、特別な才能を持たない人々から成る組織が創造性を発揮するためのプロセスを、認知的共感の視点から追究する。これは、他者の心の状態を理解する能動的かつ理知的な働きであり、筆者は、「共に観る」という意味で「共観」と名付けている。その中でも特に筆者が注目するのは、その核心となる、「多元的視点取得」概念である。これは他者の視点から世界をイメージしたり、他者の立場で自分自身をイメージしたりする視点の多様性である。

すなわち、お互いに、自分の表現を他者がどのように感じるのかを知ることで、相手の視点を取得すると同時に、自己の中でその視点を見つめ直す。その相互作用によって、組織の多元的な視点取得が実現され、創造性に結びつく過程を解明する。

ダイバーシティという言葉もすっかり定着し、多様な属性の人材を集めれば、組織の創造性が向上するかのような論調も見受けられる。しかし、本書の分析は、人材の属性の多様性が直接的に組織の創造的な成果を生み出すのではなく、「組織の視点の多様性」が創造性に寄与することを示している。合わせて、多元的視点を得るための実践的な工夫も提案し、組織として「0から1」を創造することの困難さに直面する実務家にも、多くの気づきを与える研究成果の集成。

目次

プロローグ
第1章 共観創造の概念―多元的視点取得と創造的成果―
第2章 共観創造のメカニズム―多元的視点取得と多様性が創造的成果に与える影響―
第3章 タスクによる共観創造の違い―ビジネス企画、ハードウェア開発、ソフトウェア開発―
第4章 創造的実践に見られる多元的視点取得―デザイン思考とデジタル・ストーリーテリング―
第5章 多元的視点取得を高める工夫―マルチモダリティとナラティブ・モード―
終章  チームによる共観創造
エピローグ

ISBN:9784561267720
出版社:白桃書房
判型:A5
ページ数:168ページ
定価:2273円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年05月01日