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文庫クセジュ 1010

モラル・ハラスメント

職場におけるみえない暴力

著:マリー=フランス・イルゴイエンヌ
訳:大和田 敢太

紙版

内容紹介

モラハラ概念提唱者による有効な定義と予防策
 職場でのいじめ問題は、当事者間の問題として位置づけられ、社会的な規制が等閑視されている。コミュニケーションやメンタルヘルスの問題として扱うことが、労働条件の問題や労使関係の問題に位置づける視点を曖昧にし、職場のいじめ行為自体が労働者の人格権や自由への侵害であることを見逃してしまう。その背景には、この問題が正しい処方を欠き、有効な規制制度と救済制度を社会的に確立しないまま、個人の心がけや個人的責務の問題にすり替わっているからである。
 本書では、職場のいじめをモラル・ハラスメントとして位置づけ、実効的な規制制度と救済制度の確立を提唱する。諸外国での取り組みを紹介しつつ、職場のいじめ問題について解説。日本の現状についても言及している。

著者略歴

著:マリー=フランス・イルゴイエンヌ
精神科医、精神分析医、精神療法士、システムズ・アプローチ家族療法士。ハラスメント研究の第一人者。著書『モラル・ハラスメント―日常の陰険な暴力』(邦訳『モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない』)は、フランスでベストセラーとなり、26言語で翻訳される。邦訳は他に『モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする』、『殴られる女たち―ドメスティック・バイオレンスの実態』、『フランス人の新しい孤独』がある。
訳:大和田 敢太
京都大学法学部卒業。京都大学大学院法学研究科博士課程民刑事法専攻単位取得退学。現在、滋賀大学名誉教授、博士(法学)。「職場のモラル・ハラスメントをなくす会(http://www.morahara.org)」世話人。主要著書に『フランス労働法の研究』(文理閣、1995年)、『労働者代表制度と団結権保障』(信山社、2011年)、『職場のいじめと法規制』(日本評論社、2014年)、『フランスにおける労働組合の代表権能の動揺と再生』(滋賀大学経済学部研究叢書、2015年)

ISBN:9784560510100
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:180ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2017年02月
発売日:2017年02月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ