出版社を探す

文庫クセジュ 1009

レジリエンス

こころの回復とはなにか

著:セルジュ・ティスロン
訳:阿部 又一郎

紙版

内容紹介

しなやかにはね返すレジリエントなこころとは
 普段の生活に突然なにかが起こる。あなたは落ち込むこともあれば、自分の殻に閉じこもったり、病気になったりする。けれども再び立ち直ろうとしたり、坂道を上ってゆこうとする時はいずれやってくる。「レジリエンス」という理論が導入されるまでは、カタストロフが発生した後、どうにかして早く落ち着きを取り戻そうと努めなければならなかった。レジリエンス概念によって、カタストロフが発生する前よりも後の方がはるかに良くなれる、と考えられるようになった。
 このように「レジリエンス」とは困難をのり越え、自らを構築し続ける能力を表わす。さまざまな領域で使われているため、その言葉がさし示すものも多様である。本書では、レジリエンス研究の歴史をふり返り、この言葉の定義や使用法をめぐる相違点について指摘する。臨床的な観点からみたレジリエンスとは。

著者略歴

著:セルジュ・ティスロン
精神科医、心理学博士、パリ第7大学ディドロ校研究ディレクター、科学技術アカデミー会員、「カタストロフの歴史と記憶のための機構(IHMEC)」創立者・会長。ヴァーチャル・メディアや科学テクノロジーが心的発達に与える影響についても造詣が深く、メディアや専門誌でも活発な発言を続けている。著書『タンタン、精神分析家を訪れる』(1985)はフランス国内でベストセラーとなる。邦訳に『恥―社会関係の精神分析』(2001)、『明るい部屋の謎―写真と無意識』(2001)、『タンタンとエルジェの秘密』(2005)がある。
訳:阿部 又一郎
1974年生まれ。千葉大学医学部卒業、精神科専門医取得後、渡仏(フランス政府給費生)。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了(医学博士)。専門は臨床精神医学。現在、東京医科歯科大学精神行動医科学分野助教。主な著訳書に『レジリアンス、現代精神医学の新しいパラダイム』(分担、金原出版、2009年)、『フランス精神分析における境界性の問題』(共訳、星和書店、2015年)、『ケアの社会』(共訳、風間書房、2016年)、『双極性障害の対人関係社会リズム療法』(監訳、星和書店、2016年)。

ISBN:9784560510094
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:170ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2016年12月
発売日:2016年12月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ