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エクス・リブリス・クラシックス

イーヴリン・ウォー傑作短篇集

著:イーヴリン・ウォー
訳:高儀 進

紙版

内容紹介

没後50年記念出版!
 「良家の人々」
 ひどく不名誉な状況でオックスフォード大学を退学になったヴォーンに、ある仕事が舞い込む。それは、さる公爵の孫息子の大陸遊学に、チューターとして1年ほど同行するというものだった。どうせぶらぶらしているし、悪い話ではない。そう思い引き受けたヴォーンだったが……。
 「勝った者がみな貰う」
 貴族のケント=カンバランド家の当主が第一次世界大戦で戦死、未亡人が家を取り仕切っている。長男はオックスフォード大学に進学させるが、節約のため、次男は無名のパブリックスクールに進学させる。やがて次男はオーストラリアに追いやられ、そこで大富豪の牧場主の娘と恋仲になる。未亡人は長男とその娘を結婚させようと画策するが……。
 20世紀のイギリス文学を代表する小説家の一人であるウォーは、短篇も数多く書いている。そこに描かれた人間の悲哀や滑稽さは、自らの苦い経験から生まれている。本書には、巨匠ウォーの辛辣な諷刺とユーモア、ブラックな笑いが冴えわたる作品を15篇厳選して収めた。初訳4篇ほかすべて新訳、自筆の挿絵6点掲載。

著者略歴

著:イーヴリン・ウォー
1903-1966年。ロンドン郊外のハムステッドに生まれる。オックスフォード大学では放蕩生活を送りながら学内文芸誌に関わる。大学中退後、画家を志すも断念。パブリック・スクール進学予備校の教師となる。22歳の時、自殺未遂。1928年、教師時代の体験を基にした『衰亡記』を発表。『卑しい肉体』(1930)では第一次大戦後の「陽気な若者たち」を取り上げ注目される。同年、カトリックに改宗。『黒いいたずら』(32)、『一握の塵』(34)、『スクープ』(38)など、辛辣な諷刺とユーモアに溢れた作品で人気を博す。作風を一変、貴族の生活を描いた『ブライズヘッド再訪』(45)はアメリカでベストセラーになる。戦後の代表作に第二次大戦を描いた『戦士』『士官と紳士』『無条件降伏』の『名誉の剣』三部作(52-61。合本改訂版、65)がある。

ISBN:9784560099094
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:250ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB