出版社を探す

ヴァイキングの暮らしと文化(新装版)

著:レジス・ボワイエ
監:熊野 聰
訳:持田 智子

紙版

内容紹介

高い技術力と現実的な思考をそなえた人々の姿

 「角のついた兜をかぶった北欧の海賊」という、誤りを含んだ偏ったイメージで語られてきたヴァイキング。実際には兜に角はなく、平時には商人であり農民だった。そもそも「ヴィーキング(ヴァイキング)」という言葉の語源は、海賊ではなく、商業地を点々としながら活動する商人そのものを意味している。北欧のみならず、イギリス・フランス・イタリア・ギリシア・ロシア史に大きな影響を与えてきた彼らは、どんな人々だったのか。
 彼らの芸術は、象徴的な抽象主義と純粋な現実主義との中間にあり、機能性と美とを同時にかねそなえた、いわば実用的理想の域にまで達していた。ヴァイキングの精神・物質生活はひとつの文化であるだけでなく、西欧のキリスト教文明に匹敵するひとつの文明である。
 本書は、ルーン学、サガや詩などの史料を駆使し、ヴァイキングの陸上や船上での日常生活や年中行事の、物質的側面のみならず精神生活をも幅広く扱い、「家族」を中心とした社会を組織したその豊かで高い文化全般を詳説する。

著者略歴

著:レジス・ボワイエ
1932年ランス生まれ。1970年からパリ第四大学(ソルボンヌ)教授、同大学のスカンディナヴィア言語・文化・文明研究所を主宰。中世北欧文化研究の第一人者。サガ研究や歴史書など著訳書は多数あるが、邦訳は本書が初めて。2017年没。
監:熊野 聰
1940年東京生まれ。東京教育大学文学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科中退、経済学博士。滋賀大学経済学部教授、名古屋大学情報文化学部教授、豊田工業大学教授を歴任(名古屋大学名誉教授)。著書:『ヴァイキングの歴史』(創元社)、『北欧初期社会の研究』(未來社)、『ヴァイキングの経済学』(山川出版社)など多数。
訳:持田 智子
1960年生まれ、大阪市立大学経済学部卒

ISBN:9784560097410
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:334ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DTA