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表紙絵を描きながら、とりあえず。

著:成瀬 政博

紙版

内容紹介

記憶のなかの「戦後」

 「はたしてぼくは何者になりたかったんでしょうか」1997年から20年以上にわたり週刊新潮の表紙絵を毎週描き続けている著者は70歳を過ぎて、そうつぶやく。
 1947年大阪生まれ。いわゆる「団塊の世代」に属する。4人兄弟の末っ子。横尾忠則さんは実兄だ。在日朝鮮人が多く住む長屋で育った。
 漫画家、グラフィックデザイナー、映画監督、学者、評論家、小説家、絵本作家……
 「このたくさんのナニナニというのは、子供のころから30代半ばあたりまでのぼくが次々となりたかったナニナニです。ひとつひとつ、それなりに試みたわけなんですが、みんな挫折しています」
 こうして様々な挫折を経験して著者が辿り着いた境地が「とりあえず」だ。
「とりあえずの連鎖の中で、ふと自分はこんな人生を求めていたのかと訝しみ、やがては諦めに、ときには納得に変わるもの、それが人生のような気がします」
 30代半ば、突然脱サラして絵描きになり、変転を繰り返してきたからこそ、なんでもない日常の風景が「異形」の形で立ち現れる。記憶のなかの「戦後」を析出する試み。

著者略歴

著:成瀬 政博
1947年大阪府生まれ。安曇野在住。大阪外国語大学を卒業後、公務員として裁判所に勤務する傍ら、絵本、詩集、エッセイ集などを出版。1983年に画家・イラストレーターとして本格的に活動を開始する。1997年からは、週刊新潮の表紙絵を担当。画家の横尾忠則は実兄。

ISBN:9784560097328
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:229ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:XA