出版社を探す

大学教授のように小説を読む方法

増補新版

著:トーマス・C・フォスター
訳:矢倉 尚子

紙版

内容紹介

ひと味違った文学の楽しみ方

 小説好き・文学部の学生必読の1冊がパワーアップして再登場!
 英米文学を読むのに、ギリシア・ローマ神話、聖書、シェイクスピアの知識は欠かせないといわれる。ではてっとりばやく知識を仕入れればすむかというと、話はそう単純ではない。読者がなにげなく読み流している文章の中にも、それらの要素は象徴やアイロニーとなって潜んでいたりし、見抜くにはコツが必要だ。本書は長年にわたって文学を教えてきた教授が、学生や一般読者のために、そうしたコツを惜しげもなく伝授すべく書いた解説書である。はじめにあげた3項目はもちろん、天気や病気の象徴性、性描写の意味、隠された作者の政治的意図など、象徴やパターンの読み込み方が、豊富な実例に作品のあらすじをまじえ、27章にわたって説明されている。
 まるで授業を聞いているような生き生きとした語り口と、時には有名な映画の一場面も例に挙げる親しみやすさから、本書の旧版はアメリカでロングセラーになった。『老人と海』をはじめとするヘミングウェイの作品や、『デイジー・ミラー』、エドガー・アラン・ポーの作品など、おなじみの小説の違った顔が見えてくる1冊。

著者略歴

著:トーマス・C・フォスター
ミシガン大学フリント校名誉教授。オハイオ州出身。ダートマス・カレッジおよびミシガン州立大学で学び、2014年まで27年にわたってミシガン大学フリント校で、20世紀および21世紀英・米・アイルランド文学を教えた。2003年に刊行された本書の旧版は、アメリカで学校関係者・読書会に参加する人々・一般の読書家などから高い評価を受け、ロングセラーとなった。
訳:矢倉 尚子
上智大学文学部英文学科卒。おもな訳書に、ウェルドン『男心と男について』、ミン『マダム毛沢東――江青という生き方』(以上、集英社)、トマリン『ジェイン・オースティン伝』、ファウラー『ジェイン・オースティンの読書会』『私たちが姉妹だったころ』(以上、白水社)がある。

ISBN:9784560097304
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:375ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DS