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反復

新装版

著:アラン・ロブ=グリエ
訳:平岡 篤頼

紙版

内容紹介

没後10年記念復刊、ヌーヴォー・ロマンの到達点!

 というわけで、ここで私はまた反復し、要約する。アイゼナッハから廃墟だらけのチューリンゲンやザクセンを経てベルリンへと向かう果てしなくながい列車旅行の最中に、私はずいぶん久しぶりに、話を簡単にするために私の分身、あるいはそっくりさん、あるいはさらにもっと演劇的でない言い方で《旅人》と呼ぶ男を見かけた──。
 〈第二次世界大戦直後の混乱したベルリンへの特殊工作員の潜入あり、謎の殺人事件あり、煽情的なうら若い少女売春あり、網をはりめぐらした秘密組織や警察と風俗業者の癒着があり、サドマゾ的な拷問があり、裏切りや処刑があり、最後も連鎖的な殺人と偽装で終わる。(中略)『反復』はB級エンターテインメント的な軽快さとばかばかしさが充満していて、アメリカ文学で言う《パルプ・フィクション》と受け取る読者もいるかもしれない〉(本書「訳者あとがき」より)。
 ベルリンへと向かう列車、窓から殺人現場の見えるホテル、SMプレイに魅せられた少女のいる人形店……華麗なる迷宮を、秘密の使命を帯びた〈私〉がさまよう5日間。
 没後10年記念復刊、著者渾身の最高傑作。ヌーヴォー・ロマンの到達点!

著者略歴

著:アラン・ロブ=グリエ
1922-2008年。フランスのブレストに生まれる。国立統計局に勤めたのち、バナナなどの熱帯果実を研究する農業技師としてフランス領植民地を転々とするが、熱帯病で帰国の船上で執筆した『消しゴム』により、作家としてデビュー。ジョルジュ・バタイユやロラン・バルトらの積極的な支持を受けながら、創作活動と並行して評論集『新しい小説のために』を発表し、ヌーヴォー・ロマンの旗手として活躍。代表作は、『弑逆者』『嫉妬』『迷路のなかで』『ニューヨーク革命計画』『ジン──ずれた鋪石のあいだの赤い穴』ほか。また、『去年マリエンバートで』のシナリオを手がけて以降は映画にも関心を寄せ、『不滅の女』『ヨーロッパ横断特急』『嘘をつく男』『エデン、その後』『快楽の漸進的横滑り』『囚われの美女』など9本を自ら監督している。

ISBN:9784560096727
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:254ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2018年11月
発売日:2018年11月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB