出版社を探す

ガンディーとチャーチル 下

1929-1965

著:アーサー・ハーマン
監訳:田中 洋二郎

紙版

内容紹介

夢の跡に残された現代

 ヴィクトリア朝末期に大英帝国の中心と辺境でそれぞれ生を受けたガンディーとチャーチル。一方は非暴力不服従運動の「マハートマ」(偉大な魂)として祈る姿、他方は第二次世界大戦でヒトラーを打ち破った「Vサイン」で印象深い。
 生まれも育ちも異なる二人は、運命に引き寄せられるように、その人生で何度もすれ違い、また一度だけ直接出会ったこともあった。
 シパーヒーの叛乱から世界恐慌までを扱った上巻に続き、下巻では塩の行進から第二次世界大戦、そして戦後の二人の死までが描かれる。
 とりわけ躍動するのは、インド独立を目指した志士たちの姿である。不可触民の権利を守ろうと、ガンディーと戦ったアンベードカル。ファシズムの力を利用しようとして散ったスバース・チャンドラ・ボース。ソ連型社会主義に活路を見出そうとしたネルー。イスラーム国家を目指したジンナー。独立はいつしか叶わぬ夢となった。
 他方、ヒトラーの欧州掌握を助けた宥和政策の起源が、大英帝国のインド統治にあったという史観は鮮やかだ。そして、インド独立を終始否定し、ヒトラーと対峙したのがチャーチルだった。ピュリツァー賞最終候補作。

著者略歴

著:アーサー・ハーマン
1956年生まれ。米ミネソタ大学卒業後、ジョンズ・ホプキンズ大学で修士号と博士号を取得。『近代を創ったスコットランド人』(守田道夫訳、昭和堂)は全世界で35万部発行され、本書『ガンディーとチャーチル』はピュリツァー賞最終候補になるなど、アメリカを代表する歴史家。このほか、Douglas MacArthur: American Warriorがある。
監訳:田中 洋二郎
印ネルー大学大学院修了、国際交流基金勤務。

ISBN:9784560096420
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:430ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2018年08月
発売日:2018年08月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB