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ブラック・フラッグス 上

「イスラム国」台頭の軌跡

著:ジョビー・ウォリック
訳:伊藤 真

紙版

内容紹介

ピュリツァー賞受賞作!
 2013年、ISILの指導者バグダディがカリフを自称し、イスラム国(IS)の「国家」樹立を宣言。このISの前身である「イラクのアルカイダ」は2004年、ヨルダン生まれの悪名高いイスラーム主義者ザルカウィによって設立された。
 本書は、ザルカウィとその後継者を中心に、ISが生まれた背景から現在に至るまでを詳細に描いたノンフィクションである。街のチンピラがアルカイダとつながって国際的なテロ組織を主導するようになった背景には何があったのか。イラクのフセイン政権打倒に走った米国失策の誘因とは――。200人を超える関係者らの生々しい証言と精緻な裏づけにより構成され、丁寧な人物描写と複雑にからみ合った相関関係から、組織の構造や事件・事象の全体像を鮮やかに浮かび上がらせる。
 中東取材20年のジャーナリストが独自の人脈を駆使し、スパイ小説さながらの手に汗握る筆致でISの変遷と拡大の背景を描き切った、調査報道の白眉。

著者略歴

著:ジョビー・ウォリック
1960年、米国ノースカロライナ州に生まれる。テンプル大学卒業。『ニューズ・アンド・オブザーヴァー』での業績により1996年、ピュリツァー賞(公益報道部門)を受賞。同年『ワシントン・ポスト』に移籍。以後、中東問題、外交問題、安全保障問題を専門とするジャーナリストとして活躍している。2016年、本書Black Flagsでふたたびピュリツァー賞(一般ノンフィクション部門)を受賞。邦訳書に『三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」』(太田出版)がある。
訳:伊藤 真
ノンフィクションを中心に翻訳に従事。訳書にビル・ブライソン『アメリカを変えた夏1927年』(白水社)、ケネス・タナカ『アメリカ流 マインドを変える仏教入門』(春秋社)、C・R・ジェンキンス『告白』(角川文庫)、E・スレッジ『ペリリュー・沖縄戦記』(講談社学術文庫、共訳)、P・グロース『ブラディ・ダーウィン もうひとつのパール・ハーバー』(大隅書店)、ダライ・ラマ『ダライ・ラマ 科学への旅』(サンガ新書)、R・ゲスト『アフリカ 苦悩する大陸』、R・ニューワース『「見えない」巨大経済圏』、ワン・ジョン『中国の歴史認識はどう作られたのか』 (以上、東洋経済新報社)ほか。

ISBN:9784560095614
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2017年07月
発売日:2017年07月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JBF