ピカソ Ⅱ
キュビスムの叛乱 1907-1916
著:ジョン・リチャードソン
訳:木下 哲夫
紙版
内容紹介
ピカソ伝の最高峰、待望の第2巻!
現在も執筆の続くピカソ伝の最高峰。生い立ちから《アヴィニョンの娘たち》の萌芽までを辿った第1巻に続き、本書はその創作過程を丹念に追いながら、キュビスム時代の幕開けから新古典主義時代の到来に至る若きピカソの革命の日々を跡づける。
近代美術史上屈指の問題作《アヴィニョンの娘たち》。25歳の若さでこの絵に着手したピカソは、複雑きわまる制作過程を経て、1907年、絵を描く手を永遠に止める。「ピカソの試みた冒険とは、よくよく考えたうえで、それ以上描きつづけるのをやめることであり、そのときピカソは、人々は『わかってくれる』と期待した。(中略)この傑作は未完成というより、完成のしようがない。そしてそのために絵の魅力はいつまでも、どこまでも衰えることがないのである」(本書より)。
描きあげた当初、周囲の無理解にピカソは悩み苦しむが、それがひとつの契機となり、20世紀の生んだもっとも革新的な美術運動をもたらす。盟友ブラックとの協力関係、画商やコレクターとの縁、新たな恋人たち、迫り来る第一次世界大戦の影、そして初めて舞台美術を手がけたバレエ『パラード』……新時代の美術の最前線を切り拓くピカソの闘いは続く。