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エクス・リブリス

ピンポン

著:パク・ミンギュ
訳:斎藤 真理子

紙版

内容紹介

人類史は卓球史だ! 松田青子氏推薦!
 僕は毎日、中学校でいじめられている。あだ名は「釘」。スプーン曲げができる「モアイ」もいっしょにいじめられている。僕らは原っぱのど真ん中にあった卓球台で卓球をするようになる。僕らの気持ちは軽くなる。いじめにあうってことはさ……「のけもの」じゃなくて、「なきもの」にされてるってことなんだ。みんなから? ううん、人類にだよ。僕らは卓球用品店主「セクラテン」に卓球史を伝授してもらう。卓球は戦争だったんだよ。世界はいつもジュースポイントなんだ。まだ勝負はついていないんだ、この世界は。空から、ハレー彗星ではなく、巨大なピンポン球が下降してきた。それが原っぱに着床すると大地は激震し、地球が巨大な卓球界になってしまう。そして、スキナー・ボックスで育成された「ネズミ」と「鳥」との試合の勝利者に、人類をインストールしたままにしておくのか、アンインストールするのか、選択権があるという……。
 超絶独白ラリーの展開、脳内スマッシュの炸裂、変幻自在の過剰な物語。『カステラ』(第1回日本翻訳大賞受賞)で熱い支持を獲得した、韓国を代表する作家が猛打する傑作長篇! 作家自筆の挿画収録。

著者略歴

著:パク・ミンギュ
1968年、蔚山生まれ。中央大学文学部卒業。『地球英雄伝説』(文学トンネ新人賞)、『三美スーパースターズの最後のファンクラブ』(ハンギョレ文学賞)、『カステラ』(シン・ドンヨプ創作賞)、『黄色い川、舟一艘』(イ・ヒョソク文学賞)、『近く』(ファン・スヌォン文学賞)、「朝の門」(イ・サン文学賞)を受賞している、現代韓国を代表する作家。邦訳に『カステラ』、『亡き王女のためのパヴァーヌ』、短篇「ロード・キル」がある。本書『ピンポン』(原書は2006年刊)は韓国で4万部のべストセラーとなる。
訳:斎藤 真理子
翻訳家。主要訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(第一回日本翻訳大賞受賞)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』がある。

ISBN:9784560090510
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:250ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2017年05月
発売日:2017年05月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB