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白水Uブックス

魔の聖堂

著:ピーター・アクロイド
訳:矢野 浩三郎

紙版

内容紹介

18世紀初め、ロンドン大火後の首都再建計画の一環として市内各所に建設中の7つの教会に、異端の聖堂建築家ニコラス・ダイアーが秘かに仕掛けた企みとは。一方、それから約250年後、現代のロンドンでは教会周辺で少年ばかりを狙った連続殺人が発生、有力な手掛かりもないまま深まる謎に、捜査を指揮するホークスムア警視正は次第に事件の奥に潜む闇に吞み込まれていく。時を超えて反響しあう2つの物語の結末は……。円環する時間と重層する空間を通して魔都ロンドンを彷徨う都市迷宮小説。「『魔の聖堂』は機知に富んだ不気味な想像力の作品であり、複雑なプロットを有し、人類の堕落した本質に対する懸念が繰り返し執拗なまでに描き込まれている」(ジョイス・キャロル・オーツ)。デヴィッド・ボウイが愛読し、アラン・ムーア(『フロム・ヘル』)らに影響を与えた、ウィットブレッド賞、ガーディアン小説賞受賞作。

著者略歴

著:ピーター・アクロイド
Peter Ackroyd 1949-
イギリスの小説家・伝記作家・批評家。ロンドンで生まれる。ケンブリッジ大学卒業後、イェール大学特別研究員を経て《スペクテイター》誌編集者となり、書評・評論・詩など旺盛な執筆活動を開始。1982年、小説第一作『ロンドンの大火』を発表。『オスカー・ワイルドの遺言』(83。晶文社)、『魔の聖堂』(85)、『チャタトン偽書』(87。文藝春秋)、『原初の光』(89。新潮社)、『切り裂き魔ゴーレム』(94。白水社)など、主に歴史的事件や人物に想を得た作品で数々の文学賞に輝く。ノンフィクションの著作に『ロンドン:伝記』、『T・S・エリオット』(みすず書房)、『ディケンズ』、『ブレイク伝』(みすず書房)、『シェイクスピア伝』(白水社)などがある。
訳:矢野 浩三郎
翻訳家。1936年生まれ。明治大学文学部卒業後、出版社、海外著作権エージェンシー勤務を経て、矢野著作権事務所を設立(現・日本ユニ・エージェンシー)。ミステリ・怪奇幻想文学を中心に翻訳家としても活躍。訳書にスティーヴン・キング『ミザリー』(文春文庫)、ケン・フォレット『大聖堂』(SB文庫)、ジョルジュ・シムノン『モンマルトルのメグレ』(河出文庫)、『定本ラヴクラフト全集』全10巻(監訳、国書刊行会)他多数。2006年没。

ISBN:9784560072509
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:396ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2023年12月
発売日:2023年12月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB