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白水uブックス

サンアントニオの青い月

著:サンドラ・シスネロス
訳:くぼた のぞみ

紙版

内容紹介

移民の町に響く女たちの声

 「わたしたちはこの世界を立て直しながら生きていくんだ。人生はこんなふうに生きるものだって感じで、(…)怒りと欲望と、喜びと悲しみと、そしてたぶん、愛も、それで傷つくまで。でも、チクショウ、みんな(ガール)。生きてこうぜ。」(本書より)
 メキシコからやってきた花嫁、誘拐犯の子を身ごもった少女、自称詩人のメキシコ男に熱をあげるチカーナ、メキシコ革命の英雄サパタを愛した女――。希望と挫折が交差するメキシコとの国境の町で、自分自身を生きようとしはじめた女たちの圧倒的な声の集積。ことばが躍り、魂が輝く22の掌篇。
 女たちが前向きに生きようとする声は、現代を生きる日本の読者の心にぐっと迫ってくる。読者はいつのまにか、大いに励まされていることに気づくだろう。解説=金原瑞人。

著者略歴

著:サンドラ・シスネロス
1954年、アメリカ・シカゴ生まれ。父はメキシコからの移民第一世代、母は米国生まれのメキシコ系アメリカ人。シカゴのプエルトリコ人居住区で育つ。1984年刊行の『マンゴー通り、ときどきさよなら』がベストセラーに。数々の賞を受賞し、全米の中学、高校、大学で必読書となる。92年、本書『サンアントニオの青い月』が全米芸術基金奨励賞を受賞。2015年にはオバマ大統領より全米芸術栄誉賞を授与された。
訳:くぼた のぞみ
1950年、北海道生まれ。翻訳家、詩人。著書に『鏡のなかのボードレール』『記憶のゆきを踏んで』など。訳書に、サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』、J・M・クッツェー『モラルの話』『ダスクランズ』『マイケル・K』『鉄の時代』『サマータイム、青年時代、少年時代─辺境からの三つの〈自伝〉』ポール・オースター/J・M・クッツェー『ヒア・アンド・ナウ 往復書簡2008-2011』(共訳)チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『なにかが首のまわりに』『イジェアウェレへ:フェミニスト宣言、15の提案』『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』『アメリカーナ』『半分のぼった黄色い太陽』『アメリカにいる、きみ』『明日は遠すぎて』マリーズ・コンデ『心は泣いたり笑ったり』イザベル・フォンセーカ『立ったまま埋めてくれ――ジプシーの旅と暮らし』など。

ISBN:9784560072271
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:300ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB