出版社を探す

白水uブックス

ヴィレット 上

著:シャーロット・ブロンテ
訳:青山 誠子

紙版

内容紹介

内気なヒロインの自立と孤独と愛の物語

 身寄りのない英国女性ルーシー・スノウは、自身の運命を切り開こうと決心して海峡を渡り、ラバスクール王国の首都ヴィレットへ辿り着いた。女子寄宿学校を経営するマダム・ベックに雇われた彼女は、誰一人知る者のない異国の街で、英語教師としての生活を始める。短気で独断的な教授や良家の子女からなる生徒たちに手を焼き、幼馴染との再会や、学内に出没する修道女の幽霊騒ぎなど、様々な出来事に心を揺さぶられながらも、ルーシーは次第に周囲の評価を獲得していく。それでもなお、彼女を苦しめる孤独は癒されることなく、胸に秘めた思いはさらなる葛藤を生み続ける。運命に立ち向かう、内向的だが想像力に溢れたヒロインの心理的陰影に富んだ語りの魅力で『ジェイン・エア』以上の傑作と称され、ヴァージニア・ウルフからカズオ・イシグロまで、名だたる作家たちを惹きつけてきたシャーロット・ブロンテの文学的到達点。

著者略歴

著:シャーロット・ブロンテ
1816-1855。ヨークシャーのソーントンで英国国教会牧師の娘として生まれる。学校教師、家庭教師として働いた後、学校開設を目指すが断念。1846年、「カラー・ベル」の筆名で妹エミリ、アンとの共同詩集を自費出版。長篇小説『教授』は出版社に断られるが、第二作『ジェイン・エア』(47)が出版されると大評判となる。続く『シャーリー』(49)、『ヴィレット』(53)も好評を博した。1854年、父親の牧師補と結婚するが、翌年死去。
訳:青山 誠子
1931年名古屋市生まれ。東京大学大学院修士課程修了。共立女子短期大学教授、フェリス女学院大学教授、青山学院大学教授を歴任。著書に『シャーロット・ブロンテの旅』(研究社出版)、『シェイクスピアとロンドン』(新潮選書)、訳書にアン・バートン『イリュージョンの力』(朝日出版社)、エレイン・ショーウォーター編『新フェミニズム批評』(岩波書店)など。

ISBN:9784560072257
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:446ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年08月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB