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テーマで探求 世界の食・農林漁業・環境 2

ほんとうのサステナビリティってなに? 2

食と農のSDGs

著:関根 佳恵

紙版

内容紹介

「農業は自然に優しい産業」と考えていませんか?農家にお嫁さんが来ないってホントですか?カップラーメンの材料がどこから来ているか知っていますか?本書では、政府や企業、個人によるSDGsの取り組みの実際、和食やカップラーメンから考える日本の食卓の姿、農業や飲食の現場での働き方など、食べることや農業に関する「当たり前」を、もう一度問い直します。サステナブルな社会の実現につながるアイデアを、第一線で活躍する研究者たちがデータも交えて丁寧に解説します。自ら問題を探究し、考えるための手掛かりとなる一冊です。

問いを持ち続け、より深く考え続けるために
食と農に関する既存概念を覆し、「クリティカル・シンキング」(論理的思考)のための基礎づくりに
◎キークエスチョンで、食べることや農林漁業に関する「当たり前」を、もう一度問い直す
◎サステナブルな社会の実現につながるアイデアを、第一線で活躍する研究者などがデータも交えて丁寧に解説
◎探求に役立つ関連キーワードや、もっと学ぶたまの参考文献・資料で、より深い学びに役立てる

●はじめに―世界とつながっている私たちの食卓
●SDGs
SDGsとはなにか/日本の農林漁業とSDGs/日本の農林漁業とジェンダー/日本の農林漁業と若者/便利な生活を見直してみる/SDGs達成に向けた日本政府の取り組み/地方自治体がSDGsに向けてしていること/パーム油産業と生物多様性の保全/農業協同組合がSDGsに向けてしていること/ライフスタイルとしてのSDGs
●家族農業
SDGs達成に家族農業が必要なわけ/家族農業が世界の人々を養っている/アグロエコロジーに向かう世界の農業政策/国際家族農業年と国連 家族農業の10年/国連 農民の権利宣言/ESDと農林水産業/小規模農業を支援する世界の国々
●日本の食卓から
和食(寿司)から考える日本の食卓/カップラーメンから考える世界とのつながり/認証の向こう側-パーム油学習で考えたいこと/アブラヤシ・プランテーション開発の進むボルネオで/ペットボトルのお茶と喫茶文化/大豆から考える世界の農業/大規模な酪農から小さな酪農へ/工場型畜産からアニマルウェルフェアへ
●貿易と流通
農場から食卓へ─変わる農産物・食品の流通/世界の食料貿易体制/農と食を結び直す産消提携とPGS
●土地と労働
農地を守るのは誰か /外食・中食産業で働く/農林漁業で働く
●テクノロジー
タネを採ることと種子を買うこと/ロボットや植物工場が農業の危機を救う? /フードテック/農薬・化学肥料・食品添加物の規制と安全性/遺伝子組み換えとゲノム編集技術を考える
●社会と政策
変わる日本の農業政策/公共調達を変革する─有機学校給食の取り組み/食べることと出すこと/エコロジーと公共政策/世界農業遺産と地理的表示が目指すもの/みどりの食料システム戦略は農業をどう変えるか
●おわりに―農場と食卓をつなごう

目次

はじめにー世界とつながっている私たちの食卓(関根佳恵)

【SDGs】
Theme1 SDGsとはなにか?(関根佳恵)
Theme2 日本の農林漁業とSDGs(金子信博)
Theme3 日本の農林漁業とジェンダー(上野千鶴子)
Theme4 日本の農林漁業と若者(関根佳恵)
Theme5 便利な生活を見直してみるー脱プラスチックを通して(星野智子)
Column1 SDGs達成に向けた日本政府の取り組み(三輪敦子)
Column2 地方自治体がSDGsに向けてしていること(重藤さわ子)
Column3 パーム油産業と生物多様性の保全ー企業として「つくる責任」を果たすために(廣岡竜也)
Column4 農業協同組合がSDGsに向けてしていること(宇田篤弘)
Column5 ライフスタイルとしてのSDGs(小川美農里)

【家族農業】
Theme6 SDGs達成に家族農業が必要なわけ(関根佳恵)
Theme7 家族農業が世界の人々を養っている(岡崎衆史)
Theme8 アグロエコロジーに向かう世界の農業政策(吉田太郎)
Column6 国際家族農業年と国連「家族農業の10年」(関根佳恵)
Column7 国連「農民の権利宣言」=農村生活者を丸ごと守る枠組み(岡崎衆史)
Column8 ESD(持続可能な開発のための教育)と農林水産業(玉 真之介)
Column9 小規模農業を支援する世界の国々(関根佳恵)

【日本の食卓から】
Theme9 和食(寿司)から考える日本の食卓(岩佐和幸)
Theme10 カップラーメンから考える世界とのつながり(小池絢子)
Column10 認証の向こう側—;;パーム油学習で考えたいこと(八木亜紀子)
Column11 アブラヤシ・プランテーション開発の進むボルネオで(八木亜紀子)
Theme11 ペットボトルのお茶と喫茶文化(池上甲一)
Theme12 大豆から考える世界の農業(佐野聖香)
Theme13 大規模な酪農から小さな酪農へ(小林国之)
Column12 工場型畜産からアニマルウェルフェアへ(植木美希)

【貿易と流通】
Theme14 農場から食卓へ─変わる農産物・食品の流通(矢野 泉)
Column13 世界の食料貿易体制(鈴木宣弘)
Column14 農と食を結び直す「産消提携」と「PGS」(久保田裕子)

【土地と労働】
Theme15 農地を守るのは誰か?(楜澤能生)
Theme16 外食・中食産業で「働く」(岩佐和幸)
Theme17 農林漁業で「働く」(岩佐和幸)

【テクノロジー】
Theme18 タネを採ることと種子を買うこと(田村典江)
Theme19 ロボットや植物工場が農業の危機を救う?(芦田裕介)
Theme20 フードテック─代替タンパク質は食料危機を回避するか?(関根佳恵)
Theme21 農薬・化学肥料・食品添加物の規制と安全性(木村ー黒田純子)
Column15 遺伝子組み換えとゲノム編集技術を考える(安田節子)

【社会と政策】
Theme22 変わる日本の農業政策 ─ 農村の生業と暮らしを支える政策へ(図司直也)
Theme23 公共調達を変革する ─ 有機学校給食の取り組み(関根佳恵)
Theme24 「食べること」と「出すこと」─排泄と循環、食卓のその先へ(湯澤規子)
Theme25 エコロジーと公共政策(藤原辰史)
Column16 世界農業遺産と地理的表示が目指すもの(香坂 玲)
Column17 「みどりの食料システム戦略」は農業をどう変えるか(谷口吉光)

おわりにー農場と食卓をつなごう(関根佳恵)

著者略歴

著:関根 佳恵
1980年神奈川県生まれ。高知県育ち。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。立教大学講師、国連世界食料安全保障委員会(CFS)専門家、国連食糧農業機関(FAO)客員研究員、愛知学院大学経済学部准教授をへて、2022年より愛知学院大学経済学部教授。専門は農業経済学、農村社会学、農と食の政治経済学。家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン常務理事。単著に『13歳からの食と農─家族農業が世界を変える─』(かもがわ出版、2020年)、『家族農業が世界を変える(全3巻)』(かもがわ出版、2021〜22年、学校図書館出版賞受賞)、編著に『アグリビジネスと現代社会』(筑波書房、2021年)などがある。

ISBN:9784540221149
出版社:農山漁村文化協会
判型:B5
ページ数:152ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2023年02月
発売日:2023年03月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ