どんな木も生かす 山村クラフト
小径木、曲がり材、小枝・剪定枝、風倒木を副業に
著:時松 辰夫
内容紹介
豊かな社会の平和を持続させるのは「工作を楽しむ心」だと唱えた工業デザイナー秋岡芳夫に師事し、木工ろくろとプレポリマー木固め剤で、すべての樹を生かす工芸品を生み出してきた時松辰夫。副業収入を得る木工技術を「裏作工芸」と称して、林業では価値がないとされた曲がり材や小径木、枝なども木工ろくろとプレポリマー木固め剤で、100倍の価値を生み出せるとして、地域づくりにつながる木工芸を提唱し活動してきた。その山村クラフトの考え方と技法を集大成した。4章では全国25自治体で指導して生み出された作品60点を写真で紹介。
目次
1章 山村クラフトの歩み
■大量生産の時代に「立ち止まった工業デザイナー」秋岡芳夫との出会い
豊かな社会を平和に持続させるのは「工作を楽しむ心」である―秋岡芳夫の「モノ・モノ運動」
地域おこしはオーダーメイドのコミュニティー生産方式で
大野村での「一人一芸の村運動」の実践
やっかいもののアテ材に価値を生んだ北海道・置戸町の器
■山村クラフトとは何か
林業や農業との兼業に適した山村クラフト
企業型生産、組合別生産とは違うコミュニティー生産方式
■林業の6次産業化を山村クラフトから考える
農山村から次世代の生活価値を発信する
広葉樹を生かす道―20年後の林業を思う
第2章 地域で生まれた山村クラフト作品
■地域で生まれた山村クラフト作品
山村クラフトの始まり 4作品
小径木、曲がり材・廃材・薪用材、樹皮を活かす 13作品
日常の気づきを形にする 7作品
伝統と現代技術の融合 9作品
農林漁家の営みを支援する 3作品
張り合わせの楽しみ 6作品
地域素材をいかす 6作品
竹をいかす 2作品
形状のおもしろさ 4作品
第3章 山村クラフトに適した木工の技法
■木材入手から乾燥・木取りまで
材料をどう入手するか
半割丸太工法でどんな木も100倍の価値を生む
半割丸太工法に欠かせない木材の乾燥
■木工ろくろを活用した山村クラフト
山村クラフトに適した木工ろくろ加工
木工ろくろを使って椀木地を加工する
■山村クラフトの強い味方「プレポリマー」
■安全安心な食器製作
■山村クラフトの製作方法の一例
炒めベラの製作方法 など4作品
第4章 山村クラフトのグランドデザイン
■人を育むデザイン
人間の尊厳を守るクラフトマンシップ
デザインのセンスを磨く
■売り方をデザインする
「商品」を生産する
長く愛用される良質な品格に、改良を惜しむな
■地域のデザイン
地域との関係性のなかにあるデザイン
あとがき
教え子からみた時松辰夫
山村クラフト情報拠点
ISBN:9784540201134
。出版社:農山漁村文化協会
。判型:A5
。ページ数:140ページ
。定価:2300円(本体)
。発行年月日:2020年09月
。発売日:2020年09月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TDPJ。