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ルーラルブックス

日本ムラサキ草栽培の探求

茜染(あかねぞめ)・紫染(むらさきぞめ)・黄櫨染(こうろぜん)再現

著:大河内 ただし

紙版

内容紹介

本書は、2012年に発行された『むらさき染に魅せられて――ムラサキ草の栽培と紫根染・しらかし染・利休ねずみ』に続く書である。本書の特徴は以下の3点に要約される。
1.栽培が極端に難しいとされる日本ムラサキ草の栽培法解説
2.茜染・紫染の関係の解明と染色の工夫
3.幻の染色とされる黄櫨染(こうろぜん)の再現

目次

第1章 日本ムラサキ草の栽培
日本ムラサキ草の特徴
日本種と洋種について
絶滅の危機にある日本種とは
火山灰性の草原・台地に自生/ムラサキ草は好アルカリ植物か/野生ムラサキ草、絶滅へのすじ道
【コラム】武蔵野台地と玉川上水・野火止用水
日本種の栽培成功へのカギ
自然発芽は桜の開花期ごろ
種子の休眠と発芽率
冷蔵庫保管で種子休眠を回避/不安定な発芽率
鉢栽培では滞水層に注意
酸欠に陥りやすい鉢土環境/滞水層は根腐れを誘発/鉢の深さ、滞水層の厚さと土粒の大きさ
畑地栽培では隔離ベッドが必須
温室メロン栽培との意外な共通点/ボックス栽培で発病しないのは成長が遅れた株/夏~秋の酷暑と夕立、台風に用心/根の位置は畑のレベル面より高く
病虫害対策と常備薬
【コラム】壊滅的な被害をまねく土壌伝染性の病害
栽培の実際
各種育苗法とその長短
本圃・隔離ベッドの様式
枠囲い式ベッド、コンテナボックス式ベッド/栽培用土
播種と育苗
播種/鉢上げ/燻炭育苗での難題
【コラム】紫根の優れた抗炎症・殺菌作用
基肥の施用と定植
栽培管理と紫根の収穫
【コラム】育苗に関する「発見」

第2章 茜染と紫染
古代染色と酢
灰汁をめぐって
灰汁の材料
灰汁の調整とブラウン運動
【コラム】アインシュタインとブラウン運動
茜の色素抽出と酵素反応処理
紅茶の製造法への注目
茜の粉砕と酵素反応
私の茜染の方法
古代紫染の再現
茜染への紫染の重ね染め
紫根の粉砕・酵素反応処理とご汁利用
【コラム】大陸文化の伝来
アカネ草の栽培
アカネ草を畑で育てて増やす
畑での栽培方法

第3章 幻の染色・黄櫨染
古文書にみる黄櫨染
『延喜式』と『式内染鑑』
『天工開物』の赭黄色
黄櫨染の「櫨」とは何か
九州の櫨栽培
南京櫨について
黄櫨について
【コラム】「沈思翰藻」の書『文撰』
黄櫨染の色調
染色方法と材料のバランスで変わる色調
染料植物にみる染色文化の画期
【コラム】諸職の神々
私の黄櫨染の染め方

ISBN:9784540181696
出版社:農山漁村文化協会
判型:A5
ページ数:144ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2018年11月
発売日:2018年11月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TVK