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それでも「ふるさと」

「孫たちは帰らない」けれど

失われた「ふるさと」を求めて

著:豊田 直巳

紙版

内容紹介

春の山菜・秋のキノコと自然に生かされた生れ故郷は「帰れない村」に。一方で、仮設住宅は新しい友もでき「第二の故郷」に。両者の間でゆれ動くお年寄りたちの日常や想いを活写、故郷の意味を問い、喜怒哀楽を描く。

目次

自然の恵みゆたかな、福島県北東部の高原の村-飯舘村から車で1時間ほど山を下った伊達市にある仮設住宅に、おばあちゃんたちは暮らしています。
放射能にふるさとの村を追われたのです。
村では広い敷地に何世代も住んでいましたが、ここは村の1軒分ほどの敷地に、約100軒もの仮設住宅が建ち並んでいます。
長屋形式で、板で仕切っただけの部屋では、「テレビの音がうるさい」といった不満も……。
でも、仮設住宅の暮らしに慣れるにつれて、近所付き合いも生まれ、友だちもでき、ここは「第二のふるさと」になってきました。
その一方で、春の山菜や秋のキノコ、一年中、いのちをつないでくれた味噌など、自然の恵みに生かされた村、「帰りたい村」への思いもつのります。
そして、避難から6年、避難指示は解除され、仮設住宅から出ていく日が近づいています。
おばあちゃんたちは、いま、「二つのふるさと」の間でゆれています。

著者略歴

著:豊田 直巳
フォトジャーナリスト。1956年、静岡県生まれ。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。長年にわたり、イラクやパレスチナなどの紛争地、アジア各地の内紛・内戦などの「見えない戦争」を取材。東日本大震災後は、チェルノブイリの取材経験をもとに、福島(飯舘村)を中心に取材活動を継続し、映画も製作。

ISBN:9784540171895
出版社:農山漁村文化協会
判型:AB
ページ数:32ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2018年02月
発売日:2018年02月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JHB