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脱・限界集落はスイスに学べ

住民生活を支えるインフラと自治

著:川村 匡由

紙版

内容紹介

日本では限界集落が大きな問題になっているが、スイスでは条件不利地の集落も元気に存続している。このちがいはどこからくるのか。スイスのラウターブルンネンを中心とした6集落(山峡共同体を形成、人口約2700人)を継続して調査。福祉の専門家の目で、農業、交通、観光、福祉、医療、防災など多角的な角度からその存続の理由を問い、その背景にあるスイスという国の歴史や自治のしくみ、国民的コンセンサスにも光を当てる。さらにこうした“スイスモデル”に通じる日本の元気な農山村として、群馬県上野村と沖縄県大宜味村を紹介する。

目次

第1章 過疎化しないスイスの農山村――ラウターブルンネンの六つのむらから
1 調査地にたどり着くまで
2 U字谷に点在する六つの基礎自治体(むら)
3 中心地のラウターブルンネンからヴェンゲンへ
4 むらの議会と役場のしくみ
5 買い物は便利な生協で
6 手厚い農業保護と環境対策
7 交通インフラの整備 
8 雇用をどう創り出しているか
9 行政の連携と広域連合
10 若年世代の人口増

第2章 「スイスモデル」に学ぶ
1 三州の連合体から連邦国家へ
2 分権的な行財政システム
3 インフラ整備を中心に経済政策をみる
4 徹底した国防と防災の備え
5 先端を行く環境・エネルギー政策
6 長い歴史をもち、活発な協同組合活動
7 社会保障を支えるしくみ
                                  
第3章 「限界集落」再生の道
1 「平成の大合併」と「限界集落」問題
2 自治力による「元気農山村」 
3 「限界集落」再生への方策
4 分権国家への転換
 

著者略歴

著:川村 匡由
1969年、立命館大学文学部卒。1999年、早稲田大学大学院人間科学研究科博士学位取得、博士(人間科学)。読売新聞記者、日本福祉大学講師、つくば国際大学教授、武蔵野大学大学院教授などを経て退職。現在、社会保障学者・武蔵野大学名誉教授。群馬医療福祉大学大学院など非常勤講師。行政書士有資格。シニア社会学会理事。福祉デザイン研究所所長。山岳紀行家。
主 著 『21世紀の社会福祉(全21巻・編著)』『介護保険再点検』以上、ミネルヴァ書房、『地域福祉とソーシャルガバナンス』中央法規出版、『人生100年“超”サバイバル法』久美出版、『団塊世代の地域デビュー』みらい、『ふるさと富士百名山』山と溪谷社他。

ISBN:9784540151057
出版社:農山漁村文化協会
判型:4-6
ページ数:200ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2016年11月
発売日:2016年11月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB