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人生を輝かせるお金の使い方 遺贈寄付という選択

著:星野 哲

紙版

内容紹介

「遺贈とか遺贈寄付って何 ? 」という人から、遺産の寄付先・活かし方を具体的に検討したい人まで、この1冊で、はじめての人にも遺贈寄付がよくわかる!

●「寄付とは“未来を信じる力”。自分の思いがつながり、形になっていく。それを想像してワクワクするのです」――渋沢栄一の玄孫 渋沢健氏へのインタビューも収録。

●自分の想いが他につながり、それぞれの人生が輝く素敵な「人生最後の社会貢献」。それが、誰にでもできる遺贈寄付です。金額の多い・少ないは関係ありません。

●遺贈寄付の3つの方法、その意義とやり方、寄付と信託、遺贈にまつわる税と不動産、寄付先の選び方、財団・基金のつくり方についてわかりやすく紹介しています。

目次

はしがき

第1章 遺贈

1 遺贈と遺贈寄付って違うの⁉
遺言で財産を贈与
意思を反映できるのが最大のメリット

2 包括遺贈と特定遺贈
包括遺贈の受遺者は慎重に
遺贈と相続放棄
包括遺贈の放棄は家庭裁判所へ
遺贈で判断に迷ったら

3 遺留分に注意
遺留分侵害額が請求される可能性

4 遺言
公正証書遺言と自筆証書遺言
自筆証書遺言の「弱点」
見つからない、破棄・改ざんの恐れも
検認件数より公正証書遺言のほうが多い

5 法務局による自筆証書遺言保管制度
検認不要に
誰かが閲覧すると相続人に通知
希望すれば死亡時にも通知
保管申請料は3900円

コラム 実際に使ってみました まず財産の整理から/遺贈先を決める/内容はあくまで自己責任
保管所を選び、通知したい人を考える / 申請手続は40分ほど

6 遺言が実行されないリスクを避ける
最後のメッセージ、「付言事項」の活用
遺言執行者を指定する
遺贈先団体がなくなってしまうと

7 死因贈与

第2章 相続財産からの寄付と信託

1 相続財産寄付
相続財産寄付の形は2つ
わずかでも癒やしに
税制では気を付ける点も

2 信託を使う
そもそも信託ってナニ?
遺言信託は頼りになる
「本来の信託」にも便利な点

3 遺贈寄付に関わる信託商品の枠組み
遺言代用信託
注目の生命保険信託とは
寄付のための「特定寄附信託」
オーダーメイドの公益信託とは

第3章 税と不動産

1 相続税
相続税はお金持ちの問題じゃない
遺贈した分は控除の対象に

2 みなし譲渡課税
不動産を遺贈すると
税金を誰が払う?
遺贈に限らず課される
承認特例で改善も

3 それでも不動産を遺贈したければ
まずは団体に相談を
不動産査定取次サービス

4 相続土地国家帰属法
民法・不動産登記法の改正と一緒に
10年分の管理費相当額で国庫に

第4章 遺贈寄付するということ

1 遺贈を決めた実例
夫の急逝後、2人の子どもを育てあげる
遺贈のイメージが変わる
コロナ禍で感じた「いのち」のつながり

2 相続財産から寄付した実
「お父さん、やったね!」
経済的困難を抱える子どもたちを支援
香典返し代わりに寄付

3 遺贈寄付の現状
遺贈に前向きな人が約5割
遺贈寄付しない理由は「今後の生活不安」
将来は大きな流れに
「国に納める」より

4 コロナ禍ではっきりした寄付のチカラ
東日本大震災が寄付広がりの契機
「選択的寄付」の広がり
クラウドファンディングの活況
2020年は寄付の「ステップイヤー」

コラム 渋沢栄一の精神
寄付とは未来を信じる力/能く集め、能く散ぜよ/ MEとWE
与えると与えられる/ストック型寄付が増えれば

5 遺贈寄付の意義
「つながり」が核にある
縦の糸と横の糸
自分のためになる「恩返し」
お金を地域で循環させる
たとえ1%でもインパクト

第5章 寄付先を選ぶ

1 寄付先を選ぶ方法
大切なのは人生の振り返り
相談窓口で考えを整理
分野などがみえてきたら
信頼できる団体か
遺贈寄付で「物語を紡ぐ」

コラム 専門職の役割
専門職のアドバイスで選択肢が広がる/承継寄付診断士という制度
生きている間は思い切り使って

2 自治体に寄付する
ふるさとレガシーギフト
岐阜県では地元地銀も
相続税は国税。地元にはいかない

3 「地域」に活かしてもらう
コミュニティ財団
一緒に使い道を考える

4 がん、医療分野に
① 日本対がん協会
〈ピンクリボンなど展開〉
〈専用パンフ作成〉
〈気持ち受け止め思い新たに〉
② マギーズ東京
〈がん経験者や家族らが立ち寄れる場〉
〈見失いがちな自分を取り戻せるように〉
③ 京都大学iPS細胞研究財団
〈iPS細胞の商用提供を担う「橋渡し」役〉
〈生きているうちに間に合わなくても〉

5 国際援助
① 国境なき医師団
〈世界の命を救うお金の使い方〉
〈理事会で遺贈寄付者への祈り〉
〈「認知度向上」のための意識調査〉
② シャプラニール=市民による海外協力の会
〈バングラデシュとネパールで活動
〈遺贈の意思で新たな活動展開〉
③ 難民を助ける会
〈人道支援、地雷・不発弾の除去〉

6 子どもたちのために
① プラン・インターナショナル・ジャパン
〈遺贈者の望んでいることは何でも実現してあげたい〉
〈娘の命が希望の水に〉
〈PLANレガシー1%クラブ〉
② フローレンス
〈子どもをめぐるさまざまな問題を解決したい〉
③ カタリバ
〈中高生の教育支援や居場所づくりに取り組む〉
④ あしなが育英会
〈遺児家庭を直撃したコロナ禍〉
〈活動原資はすべて寄付金〉

7 福祉
① さわやか福祉財団
〈感謝と遺志を引き継ぐため、寄付者の名前を冠する基金〉
〈寄付者一人ひとりの人生の歩みや人となりを紹介〉
〈「思恩忌」を毎年開く〉
② 日本盲導犬協会
〈年間30~50頭の盲導犬を育成し無償貸与〉

8 環境
◎ みどりの遺言プロジェクト
〈弁護士が信頼できる団体をリスト化〉
〈最後に残るお金を自然保護活動に〉

9 文化・芸術
① いわさきちひろ記念事業団
〈遺贈寄付でデジタル・アーカイブ事業〉
〈美術館自体も遺贈寄付のおかげ〉
② 日本センチュリー交響楽団
〈家族でクラシック音楽を楽しめる場〉
〈寄付の「見える化」〉

10 大学
早稲田大学、年々増える寄付件数
地元地銀と連携する大学も
次世代を育てる一助に

第6章 財団・基金をつくる

1 財団法人をつくる
ベースは両親の遺産
300万円以上の拠出金、賛同メンバー
日本でも増えていくファミリー財団

2 オリジナル基金
パブリックリソース財団
助成先は基金ごとの専門委員会が公募

3 生きているうちに「恩送り基金」
「謝縁会」を開く
参加者から基金に寄付
団塊世代の資産インパクト

4 財団・基金どちらにも対応
富裕層向けにワンストップ対応
社会貢献プログラムの設計
基金にも対応

あとがき

著者略歴

著:星野 哲
立教大学社会デザイン研究所研究員、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科兼任講師(看取りと弔いの社会デザイン学)、東京墨田専門学校非常勤講師(2021年3月まで)、世田谷区生涯大学講師(2021年4月から)

ISBN:9784539728635
出版社:日本法令
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2021年11月
発売日:2021年11月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNB