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デジタル変革後の「労働」と「法」 -真の働き方改革とは何か?-

著:大内 伸哉

紙版

内容紹介

新型コロナウイルスの影響により、後世、「コロナ後」「コロナ前」と区分されるであろう大きな転換が、
私たちの眼の前で起きています。一言でいえば、アナログ社会からデジタル社会への転換です。もちろん、
この転換の動きは「コロナ前」から起きていたことではありますが、もう少し続くと思っていた助走期間は、
コロナによって一挙に縮められてしまいました。
本書では、これから到来する「コロナ後」の世界――「21世紀型社会」について、
これがどのような社会なのか、そこでは人々の労働はどのように位置づけられているのか、
また法はそこでどのような役割を果たすのか、労働法学界の第一人者が模索しています。
未来の予測を単なる空想に終わらせないようにするため、未来の労働を考えるうえで
重要と思われる歴史的な出来事・文献も逐次取り上げながら、新たな社会に生じる労働に関する
法的課題を検討。そこでは、何が解決すべき課題であるかを示すと同時に、それをどのように
解決すべきかという規制手法にも踏み込んでいます。読者の知的興奮をかき立てる、
唯一無二の1冊が出来上がりました。

目次

序 章 変わる企業と労働
1 三つのメッセージ
Three Messages

2 デジタル経済と日本型雇用システム
Digital Economy and Japanese Employment System

3 環境問題と労働
Environmental Issues and Labor

4 自営業者と労働法
Self-Employed and Labor Law
5 本書の内容
Contents of This Book

第1編
20 世紀型社会とは何か
-産業資本主義における企業と労働-

第1章 資本主義と労働・法
1 人はなぜ働くのか?
Why do people work ?

2 労働の歴史
Labor History

3 労働法はどのように生まれたのか?
How was labor law born ?

第2章 企業はなぜ営利を追求するのか?
1 会社とは何か?
What is a company ?

2 営利の追求は善か悪か?
Is the pursuit of profit good or evil ?

3 法人とは何か?
What is a corporation ?

4 コーポレート・ガバナンス
Corporate Governance

第3章 日本型雇用システムと日本型労働法
1 日本型雇用システムとは何か?
What is the Japanese employment system ?

2 日本型雇用システムと労働法
The Japanese Employment System and Labor Law

3 正社員の働き方をオーソライズした労働法
Labor Law that Authorizes Work Style of Regular Employees

4 見直される正社員の働き方
A Review of Work Style of Regular Employees

5「 働き方改革」のインパクト?
The Impact of “Work Style Reform” ?

第2編
21 世紀型社会の到来
-デジタル技術の時代-

第4章 デジタル技術が社会を変える
1 産業資本主義の終焉
The End of Industrial Capitalism

2 変わるビジネスモデル
The Changing Business Model

3 企業のスマート化
Making the Enterprise Smart

4 社会課題解決のためのデジタル技術
Digital Technology for Solving Social Issues

5 高齢化問題
The Problem of an Aging Population

第5章 デジタル技術が働き方を変える
1 ムーブレス・ワーク
Moveless Work

2 シェアリング・エコノミーの可能性
The Potential of the Sharing Economy

3 人材のプロ化
Professionalization of Human Resources

4 個人はテックで起業する
Starting Business with Technology

第3編
21 世紀型社会の課題
-新たな規制をめざして-

第6章 デジタル技術が労働規制を変える
1 デジタル化がもたらす法的課題
Legal Problems Caused by Digitalization

2 新たな規制手法-ナッジの活用
A New Regulatory Approach - Use of Nudges

3 分断なき労働とセーフティネット
Towards Integrated Social Safety Nets

4 デジタル技術を活用した規制
Regulatory Method utilizing Digital Technology

第7章 デジタル技術がもたらす新たな政策課題
1 個人情報の保護
Protection of Personal Data

2 プライバシーと差別
Privacy and Discrimination

3 格 差
Disparity

4 教 育
Education

終 章 まとめにかえて - 21 世紀型社会と労働-
判例索引
労働委員会命令索引
人名索引
事項索引

著者略歴

著:大内 伸哉
神戸市生まれ。東京大学法学部卒、同大学院法学政治学研究科修士課程修了、
同博士課程修了(博士(法学))。神戸大学法学部助教授を経て、
現在、神戸大学大学院法学研究科教授。労働法を専攻。
現在は、技術革新と労働政策が中心的な研究テーマであり、具体的には、
AIの活用・デジタライゼーションのもたらす雇用への影響やテレワーク、
フリーランスのような新たな働き方の広がりにともなう政策課題を研究している。
著書・論文多数。ビジネスガイド連載中の「キーワードからみた労働法」は、
開始から14年を数える超人気連載である。

ISBN:9784539727614
出版社:日本法令
判型:A5
ページ数:400ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2020年07月
発売日:2020年07月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF