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人を信じられない病

信頼障害としてのアディクション

著:小林 桜児

紙版

内容紹介

依存症を意志の弱さや脳の病気としてきた従来の考え方を離れ、人間関係の病と理解し、回復への道を説く。依存症臨床の新常識!

目次

第1章 アディクトの生きづらさ
    アディクションと意志の弱さ
    アディクションの診断
    アディクションと脳障害
    アディクションと生育歴

第2章 人に頼れない、物にしか頼れない
    薬物への抵抗感の薄さは孤立のサイン
    二種類の生きづらさ
    明白な生きづらさ
    暗黙の生きづらさ
    過剰適応と心理的孤立
    患者データからみた信頼障害仮説
    アルコール・薬物以外の「行動のアディクション」と信頼障害

第3章 人を信じられない、物も信じられない――アディクトのジレンマ
    アディクションの蜜月期
    自己治療仮説
    自己治療から信頼障害へ
    アディクトがアディクションに裏切られる時

第4章 アディクトとの初回面接――援助者はどう向き合うべきか
    アディクション支援のパラダイムシフト――動機づけ面接法
    初回面接の流れ
    家族の主観的なイメージ
    生きづらさを見つける

第5章 なぜアディクトはうそをつくのか
    アディクトはなぜ、うそを必要としているのか
    二重のうそによって語られるもの
    家族や援助者がアディクトのうそと出会う時
    家族へのアドバイス

第6章 アディクションの治療――回復ではなく成長を目指す
    アディクションの援助者が陥る罠
    アディクション援助の目標
    治療方針を決める
    感情表出とアクティング・アウト
    アクティング・アウトの理由を語れない時

第7章 アディクションのグループ療法――SMARPP(スマープ)とSCOP(スコップ)
    自助グループとSMARPPについて
    SMARPPの効果と限界
    SCOPが目指すもの
    グループ療法修了後の関わり方
    グループに拒否的なアディクトへの関わり方

第8章 アディクションと社会――予防・啓発・取り締まり
    愛着関係と感情調節
    有効なアディクションの予防対策と啓発とは
    アディクションと司法の関わり
    アメリカの薬物裁判所(ドラッグ・コート)
    ポルトガル・アプローチ

最終章 アディクションはどこに向かうのか
    危険ドラッグの流行と終焉
    アディクションと社会構造

著者略歴

著:小林 桜児
神奈川県立精神医療センター依存症診療科長医長

ISBN:9784535984370
出版社:日本評論社
判型:4-6
ページ数:220ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ