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科学機器の歴史

望遠鏡と顕微鏡

編:塚原 東吾

紙版

内容紹介

科学的な概念や世界像の転換に偏重した従来の科学史に対し、そうした転換を支えた「物質的」基盤たる科学機器の歴史に光を当てる。

目次

序 章 科学機器の歴史――検討の方法について……塚原東吾

 科学機器を取り上げる理由:概念を支えたモノ
 人間の感覚の拡張と可視化、ガリレオの科学革命
 科学史的な観点:二つの「I(アイ)」
 科学の物質的な基盤
 科学哲学者の分析
 科学の移動・越境による新展開:各論文のポイント

第1章 数学器具としての比例尺の成立と伝搬……三浦伸夫

 はじめに
1 ウルビーノ学派と科学器具
2 比例尺の種類
3 比例尺の成立
4 ガリレイ『幾何学的軍事的コンパス』
5 発明をめぐる優先権問題
6 比例尺の原理と応用
7 ヨーロッパにおける比例尺の変容
8 東洋への伝搬

第2章 フックの科学的業績と実験機器の技術的起源……中島秀人

 はじめに
1 天文学者としてのフック
2 フックの天文観測
3 長大望遠鏡とフック
4 精密天文観測のための器具
5 ニュートンの反射式望遠鏡とフック
6 フックの科学上の寄与
7 ロバート・フックの実験観測機器の起源

第3章 17~18世紀オランダ科学における望遠鏡・顕微鏡・科学機器
――エージェントとしてのオランダ科学……塚原東吾

 はじめに
1 オランダのエージェント性
2 一七世紀、望遠鏡から顕微鏡へ:顕微鏡の技術的問題とオランダの「視線」
3 オランダ一八世紀の科学機器:ニュートン主義の普及
4 まとめ

第4章 望遠鏡つき四分儀と子午線測量の歴史――地図作成からメートル法まで……隠岐さや香

 はじめに
1 前史:測量器具の歴史と一七世紀の望遠鏡製作
2 ジャン・ピカールと「望遠鏡つき四分儀」による「地球の大きさ」の計測
3 カッシーニ全土地図計画と王立天文台の器具
 おわりに

第5章 望遠鏡伝来と長崎……平岡隆二

 はじめに
1 初伝来とその背景
2 国産化のはじまりと長崎
3 御用目鏡師・森家とその系譜
4 小結

著者略歴

編:塚原 東吾
神戸大学大学院国際文化学研究科教授

ISBN:9784535787926
出版社:日本評論社
判型:4-6
ページ数:194ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TGH