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シリーズ数学の泉 1

数論のはじまり

フェルマからガウスへ

著:高瀬 正仁

紙版

内容紹介

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≪著者コメント≫
数論とは何か
―フェルマとガウス―
泉を造形した人の声を聴こう!!
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フェルマの数論とガウスの数論――
この2つの流れを丹念にたどり,数論史の全体像の復元を試みる意欲作!

フェルマは古代ギリシアの数論に示唆を得て数の世界を渉猟し,多種多様な現象の観察を続け,多彩な素材を蒐集して数論の泉を造型した.……
満17歳のガウスは平方剰余相互法則の第1補充法則を発見し,この体験を機に,長い生涯を通じて数の理論に深く分け入っていった.
――その全体像を復元することが,本書のねらいである.(「まえがき」より)


●数学の泉 全4巻●

数学のどの理論にも源泉が存在し,しかもそれらのひとつひとつを一番はじめに発見した特定の人物が実在します.西欧近代の数学の流れを回想し,泉を造形した人々の無言の言葉を丹念に聴き取り,紡いでいくことを目指します.

数論のはじまり――フェルマからガウスへ
ガウスの遺産
解析学のはじまり――ライプニッツからリーマンへ
ドイツ数学史の終焉と現代数学の出現
(順不同.タイトルは変わることがあります)

目次

第1章 ディオファントスの数論からフェルマの数論へ
 1.「数の理論」とは何か
 2. 平方数を二つの平方数に分ける
 3.「フェルマの大定理」と「直角三角形の基本定理」

第2章 オイラーによるフェルマの言葉の証明の試み
 1.「直角三角形の基本定理」の証明に向う
 2. フェルマの小定理
 3. 多角数に関するフェルマの定理

第3章 ラグランジュと不定方程式
 1. ペルの方程式と不定方程式への道
 2. オイラーからラグランジュへ
 3. 不定方程式論のはじまり
 4. 素数の形状理論
 5. 平方剰余相互法則への道
 6. オイラーによる「直角三角形の基本定理」の証明手順の回想

第4章 相互法則の世界
 1. カール・フリードリッヒ・ガウスと『アリトメチカ研究』
 2. 二つの平方剰余相互法則
 3. 四次剰余相互法則と虚数
 4. 楕円関数論のはじまり

第5章 クロネッカーの数論の解明
 1. 回想のクロネッカー
 2. 特異モジュールの諸相
 3. 特異モジュールと相互法則

第6章 アーベル方程式の構成問題への道
 1. クロネッカーの数学研究の回想
 2. 円周の等分に関するガウスの理論
 3. アーベル方程式の構成問題
 4. クロネッカーの数論における代数方程式論の位置

著者略歴

著:高瀬 正仁
数学者・数学史家、元九州大学教授

ISBN:9784535603639
出版社:日本評論社
判型:4-6
ページ数:304ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBH