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三淵嘉子と家庭裁判所

編著:清永 聡

紙版

内容紹介

1938(昭和13)年、日本で女性が初めて司法試験に合格し、1940(昭和15)年に3人の女性法曹が誕生した。そのひとりが、戦後初めて女性の判事・裁判所長となり、家庭裁判所創設にもかかわった三淵嘉子さんである。

三淵さんは、女性が参政権さえ持たない=立法に携わることさえできない時代に、明治大学で法律を学び、弁護士になった。

太平洋戦争、慣れない田舎での疎開生活、家族との別れ……激動の時代を経て、残った家族を養うため、三淵さんは裁判官になる。

最高裁判所では、同僚たちと家庭裁判所の設立に向けて奔走する。

***

女性の社会的活躍が期待される今日、その先駆者である三淵さんから学ぶところは多い。

本書は、丁寧な取材によって書き上げられた三淵さんの評伝とゆかりの人々の人物像、実弟や後輩の証言を通じて、三淵嘉子さんの人となり、足跡を紹介する。

目次

第1部 三淵嘉子 評伝
三淵嘉子と家庭裁判所の時代……清永聡

第2部 三淵嘉子ゆかりの人々……清永聡
1 宇田川潤四郎
「家庭裁判所の父」 天真爛漫な初代最高裁家庭局長
2 内藤頼博
リベラリストな「殿様判事」 家庭裁判所創設のキーパーソン
3 久米 愛
日本初の女性法曹のひとり 女性の権利擁護で活躍
4 中田正子
日本初の女性法曹のひとり 女性初の弁護士会会長
5 野田愛子
家庭裁判所での「姉妹」 女性初の高等裁判所長官

第3部 三淵嘉子を語る
1 父であり母であった「とと姉ちゃん」(インタビュー)……武藤泰夫・清永聡(聞き手)
2 東京家裁時代の三淵嘉子さん(インタビュー)……鈴木経夫・編集部(聞き手)
3 三淵嘉子裁判官の基本的視座を学ぶ――憲法理念と家庭裁判所司法……若林昌子
4 三淵嘉子さん 強さと優しさと……荒井史男
5 翼を得て……佐賀千惠美

第4部 家庭裁判所発足の頃
1 座談会「家裁発足当時の思い出」について……清永聡
2 座談会「家裁発足当時の思い出」……市川四郎・沼邊愛一・三淵嘉子・柏木千秋・内藤文質・外山四郎・森田宗一・皆川邦彦・栗原平八郎・山田博・奥山興悦・長谷川知賢
3 解説・昭和57(1982)年の座談会について……奥山興悦

年譜

著者略歴

編著:清永 聡
清永 聡 (きよなが さとし) NHK解説委員

ISBN:9784535527454
出版社:日本評論社
判型:B5
ページ数:144ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2023年12月
発売日:2023年12月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB