憲法の動態的探究
「規範」の実証
著:水島 朝穂
内容紹介
憲法の動態的現実のなかで、「規範」としての憲法はどうあるべきか。憲法の議論状況を、事相を踏まえた視点から考察する。憲法9条論・軍事法制研究の第一人者である著者の、1995年以降の研究成果をまとめた書。
目次
序文
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第1部 憲法的平和主義
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1 憲法的平和主義(Verfassungspazifismus)を考える
2 憲法にとって何が「危機」なのか——「軍事的合理性」考
3 日本の「防衛」政策決定過程の変容——防衛省設置法12条改正の効果
4 立憲平和主義と平和保障構想——深瀬憲法学のactuality
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第2部 日本の安全保障と大規模災害
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1 日本国憲法9条と「敵基地攻撃能力」
——憲法解釈論と立法事実論からの一考察
2 アフガニスタン戦争20年と日本
3 集団的自衛権の「無力」と危うさ
——「プーチンの戦争」から見えるもの
4 武器供与でなく、即時停戦を求める声を
5 緊急事態における権限分配と意思決定
——東日本大震災から考える
6 災害救助は誰が行うのか——消防・自衛隊・警察・海保
7 <講演>「人貴キカ、物貴キカ」
——防空法制から診る戦前の国家と社会
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第3部 憲法「改正」論の諸相
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1 「読売改憲試案」の目指すもの——その憲法哲学を検証する
2 理念なき改憲論よりも高次の現実主義を
——「9条改憲論の研究」私はこう読んだ
3 安倍「九条加憲」に対案は必要ない——憲法改正の「作法」
4 憲法改正の3つの作法——「フェイク改憲論戯」から離脱を
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第4部 統治をめぐる諸相
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【国会・内閣】
1 有権者が投票所に行かない民主主義国——「史上最低の投票率」考
2 信頼は専制の親である——リーダーシップ
3 安倍政権の「非立憲主義」のリアル
——臨時国会召集・衆院解散・会期延長などを素材にして
4 コロナ対応と憲法の相克 前例なき危機に挑む日独の格差
【司 法】
5 「憲法の番人」をめぐる抑制と均衡の力学
6 <講演> 裁判所と裁判官の改革
——多様な裁判官による利用しやすい裁判所をめざして
【治 安】
7 ドイツの「戦闘的民主主義」と政党制
8 「オウム問題」をどうみるか
9 盗聴立法をめぐる国際的動向/ドイツ
10 「軍事機密」という闇のある社会とは
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第5部 教育と研究の自由
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1 戦後教育と憲法・憲法学
2 憲法研究者の研究・教育の自由——天皇機関説事件80周年
ISBN:9784535527317
。出版社:日本評論社
。判型:A5
。ページ数:452ページ
。定価:7200円(本体)
。発行年月日:2023年09月
。発売日:2023年09月04日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND。