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南山大学学術叢書

少年法の理論と実務

著:丸山 雅夫

紙版

内容紹介

2018年6月に成立した成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする「民法の一部を改正する法律」と、2021年6月に成立した改正少年法が、ともに2022年4月1日から施行されるが、それにともない少年法適用年齢の引き下げがもたらす刑事政策上の課題について、批判的に検討する。

目次

第1章
少年法適用年齢の引下げ批判
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 国法上の年齢統一の是非と可否
 Ⅲ 現行少年法の成立とその後の改正論議
 Ⅳ 適用年齢引下げに伴って予想される事態
 Ⅴ むすびに代えて

第2章
少年法適用年齢の引下げと刑事政策
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 少年法・刑事法部会における議論の概要
 Ⅲ 若年者に対する新たな処分
 Ⅳ 刑の執行以外の方策による更生保護
 Ⅴ 刑の執行場面における方策
 Ⅵ むすびに代えて

第3章
少年法における保護処分と責任要件
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 従来の議論とその検討
 Ⅲ 最近の議論とその検討
 Ⅳ 要保護少年の処遇――不要説にもとづく実務

第4章
少年犯罪における責任能力の扱い
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 少年保護事件手続における責任要件の要否:再論
 Ⅲ 犯罪少年と心神喪失者等医療観察法
 Ⅳ 少年事件における鑑定とその意義
 Ⅴ むすびに代えて

第5章
少年保護事件における保護的措置
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 保護的措置の意義
 Ⅲ 調査段階における保護的措置の実際と課題
 Ⅳ 審判段階における保護的措置の実際と課題
 Ⅴ むすびに代えて

第6章
少年司法における親への介入
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 少年司法における親の法的地位と親への介入根拠
 Ⅲ 非行の発見段階における親への介入
 Ⅳ 家庭裁判所の調査段階における親への介入
 Ⅴ 家庭裁判所の審判段階における親への介入
 Ⅵ 処遇段階における親への介入
 Ⅶ 今後の課題

第7章
少年事件における弁護士付添人の関わり
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 旧少年法から現行少年法へ
 Ⅲ 弁護士付添人関与の拡充
 Ⅳ 弁護士付添人の役割と課題
 Ⅴ むすびに代えて

第8章
少年事件と一事不再理の原則
 Ⅰ 少年事件における一事不再理効をめぐる問題
 Ⅱ 調布駅南口事件までの裁判例と学説
 Ⅲ 調布駅南口事件と2000年の少年法改正
 Ⅳ むすびに代えて

第9章
少年保護事件と非常救済制度
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 旧27条の2の再審的運用
 Ⅲ 柏事件決定の射程と草加事件決定
 Ⅳ 立法による解決の方向性
 Ⅴ むすびに代えて

第10章
少年法20条による検察官送致
 Ⅰ 少年犯罪と刑事司法
 Ⅱ 2000年改正前の逆送規定の解釈と運用
 Ⅲ 2000年改正による逆送規定の解釈と実務
 Ⅳ 本章の結論と今後の課題

第11章
少年刑事事件と裁判員裁判
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ わが国の刑事司法における少年犯罪の扱い
 Ⅲ 裁判員裁判と少年の情操保護
 Ⅳ 裁判員裁判と55条移送
 Ⅴ 少年の刑事処分の特則に関わる問題
 Ⅵ むすびに代えて

第12章
少年法55条による家庭裁判所への移送
 Ⅰ 犯罪少年に対する法的対応
 Ⅱ 55条移送の意義と内容
 Ⅲ 2000年改正前の実務と2000年改正
 Ⅳ 裁判員裁判における55条移送
 Ⅴ むすびに代えて

第13章
少年法と刑事手続との交錯
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 従来の裁判例の動向とその評価
 Ⅲ 最決平成25年の事案と裁判所の判断
 Ⅳ 少年保護事件手続と刑事裁判手続の関係
 Ⅴ 実質的観点からの適切な実務運用への期待
 Ⅵ むすびに代えて

第14章
少年に対する刑事処分
 Ⅰ 少年刑事事件に対する特別扱い
 Ⅱ 旧少年法から現行少年法へ
 Ⅲ 不定期刑をめぐる論点の検討
 Ⅳ むすびに代えて

第15章
少年犯罪と死刑
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 少年法51条1項の制定過程
 Ⅲ 少年法51条の意義と年長少年
 Ⅳ 年長少年の死刑をめぐる実務動向
 Ⅴ むすびに代えて

第16章
少年法61条の意義と内容
 Ⅰ 犯罪報道と少年法61条
 Ⅱ 少年法61条の制定とその内容
 Ⅲ 同一性推知情報に対するメディアの対応
 Ⅳ 少年法61条の意義
 Ⅴ むすびに代えて

著者略歴

著:丸山 雅夫
南山大学大学院法学研究科教授

ISBN:9784535526228
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:432ページ
定価:7000円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA