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トランプ政権の分析

監:東京財団政策研究所
編:久保 文明

紙版

内容紹介

本書は、2017年1月から2021年1月までのトランプ政権の実績を、“政策の変化”という観点から分析するものである。アメリカでは、民主党・共和党間での政権交代が定期的に行われており、政党間のイデオロギー的距離も広がっているため、政策の変化・揺れ・振幅が、諸外国に対して比較的大きい。
 ただし、トランプ政権の政策には、共和党主流の立場と合致したものもあれば、そこから大きく逸脱したものもある。しかしながら、このような側面にはあまり触れずにトランプ政権に対して粗い評価がなされているため、本書はこの部分に留意しながら、4年間のトランプ政権を分析するものである。中国との摩擦・軋轢が激化している状況に鑑みても、アメリカをはじめ今後の世界政治・外交を分析していくうえで、重要かつ示唆に富むものである。

目次

【目 次】

●はしがき●……久保文明

●第1章●
ドナルド・トランプは大統領制を変えたのか?……梅川 健
 はじめに
 1 トランプ大統領を縛る政治状況
 2 トランプ大統領の定型的行動――立 法
 3 トランプ大統領の定型的行動――単独行動
 4 慣習から逸脱するトランプ大統領
 おわりに

●第2章●
分極化と議会……前嶋和弘
 はじめに
 1 動かない政治
 2 政治的分極化現象
 3 政治的分極化と議会の分極化
 4 連邦議会選挙の「3つの法則」とそれを覆した2020年選挙
 5 分極化を超えて――収斂の可能性がある動き
 まとめにかえて

●第3章●
アイデンティティ・ポリティクスの激化……松井孝太
 はじめに
 1 党派的アイデンティティの強まりと分極化
 2 人口動態変化と政党支持
 3 ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動をめぐる世論の分裂
 おわりに

●第4章●
トランプ政治とメディア――分極化の加速……山脇岳志
 はじめに
 1 2016年――分極化の加速
 2 トランプ政権発足と、対立の激化
 3 メディアが生んだ大統領、メディアに敗れる

●第5章●
トランピズムと共和党――保守派の「再編」を中心に……宮田智之
 はじめに
 1 2016年大統領選挙と「ネバー・トランプ派」
 2 トランプに接近する保守派
 3 トランプ政権と保守派
 おわりに

●第6章●
トランプ政権における財政規律問題……中林美恵子
 はじめに
 1 トランプ政権以前の財政規律問題と政治
 2 トランプ政権の財政政策と共和党議会
 3 下院を民主党に奪われた大統領と共和党上院の攻防
 4 新型コロナウイルスと財政規律
 おわりに

●第7章●
ネオコン/レーガン派の居場所はあるか……高畑昭男
 1 トランプ外交とネオコン
 2 トランプ外交の変容と「道義的現実主義」
 3 ネオコン/レーガン派の居場所

 おわりに――融通性と「思想の力」

●第8章●
トランプ政権下の米中関係……村上政俊
 1 概 観
 2 対立の焦点
 3 民主主義、人権、インド太平洋
 4 まとめと今後の見通し

著者略歴

編:久保 文明
東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京財団政策研究所上席研究員

ISBN:9784535525245
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:168ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH