刑事施設の医療をいかに改革するか
編著:赤池 一将
内容紹介
本書は、主に施設生活の不便を減じ、日常生活を塀の外に近づける概念と捉えられてきた行刑の「社会化」政策を、塀の外の一般社会の法と原則によって施設内生活を再構築するための政策概念として再定義した上で、この「社会化」の観点から、刑事施設医療の改革のあり方を検討。
目次
はしがき 赤池一将
第1部 刑事施設医療の現状をどう理解するか
[1]名古屋刑務所事件と刑務所医療 村井敏邦
[2]行刑改革と刑事施設医療 赤池一将
[3]刑事施設視察委員会と医療問題 土井政和
[4]刑事施設医療の外部委託 本庄 武
[5]刑事施設医療に関する市民意識調査1 相澤育郎・山崎優子
[6]《座談会》刑事施設医療の現状を問い返す
三島 聡・矢野健次・小林 誠・田鎖麻衣子・手塚文哉・西岡慎介・赤池一将・森久智江・日下修一・岡田悦典
第2部 刑事施設医療の改革とその国際的動向
[1]刑事施設医療改革をめぐるフランスの経験 赤池一将
[2]刑事施設独自の医療から社会共通的な医療へ――イングランド刑事施設医療の保健省移管をめぐって 三島 聡
[3]オーストラリア・ニューサウスウェールズ州(NSW)における矯正医療の現状と日本への示唆 森久智江
[4]台湾の矯正機関被収容者に関する医療改革とその発展 鍾 志宏/訳:杜 冠霖
[5]台湾における受刑者の健康状態及び医療――諸問題と改革の好機 黃 嵩立/訳:?村千冬
[6]ドイツの刑務所医療事情 金 尚均
[7]カナダの刑務所医療について――連邦刑務所の取り組みを中心として 岡田悦典
[8]アメリカの刑事施設医療 笹倉香奈
[9]国際準則の要請と刑事施設医療の改革 寺中 誠
第3部 刑事施設医療改革の公準
[1]刑事収容施設の医療編成――アクセス・質保証の実施体制をめぐって 松田亮三
[2]司法看護と刑事施設医療の改革 日下修一
[3]刑事施設における医療情報へのアクセスと被収容者の権利 岡田悦典
[4]福祉につなぐための刑事施設医療のあり方――刑事司法・刑事政策学的視点から 前田忠弘
[5]福祉につなぐための刑事施設医療のあり方――社会学・社会福祉学的視点から
魁生由美子
[6]健康格差社会における受刑者等の健康――英国の取組を参考に 高橋有紀
[7]刑事施設における医療倫理の国際的スタンダード 相澤育郎
[8]被収容者の健康課題把握と公衆衛生戦略の形成――国際的動向をふまえた検討
松田亮三
ISBN:9784535524767
。出版社:日本評論社
。判型:A5
。ページ数:540ページ
。定価:7500円(本体)
。発行年月日:2020年02月
。発売日:2020年02月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNF。