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サステナブル経営と資本市場

著:北川 哲雄
著:佐藤 淑子
著:松田 千恵子

紙版

内容紹介

 急速に進むガバナンス革命、ESG投資の隆盛を「正のスパイラル」として取り込み、競争力に結びつける。そのために今なすべきことを、理論・実務の両面から解説、“即効の処方箋”を提示する。

 ROE8%、株主還元、ガバナンス報告書、エンゲージメント、取締役会評価、ESG――急速に進むガバナンス革命。ますます増大する投資家の要求に対し、一連の改革の意義と問題点を認識し、前向きに、そして正しく対処している企業は極めて少ないのが現状だ。
 今企業に求められるのは、原点に戻ること。その原点とは「競争力」(企業価値)の向上だ。優れた実績を残している企業は、イノベーションやビジネスモデル革命を引き起こし、かつステークホルダーからも信頼される「サスティナブルな経営」を行っている。経営者を筆頭に「自らの経営する企業のサスティナビリティ(持続可能性)について執念をもって立ち向かうこと」がまず重要なのである。
 本書は以上のような問題意識に基づき、先進企業のケーススタディを通じ「サスティナブルな経営」とは何かを確認。その経営理念・進行状況を伝える役割を担う経営幹部の役割構造から情報開示までについて詳述する。特に、従来情報開示の対象が単純に機関投資家あるいはアナリストという括りであったものを、ESGアナリスト・投資家、イノベーション担当アナリスト、長期投資家、エンゲージメント専門投資家、議決権行使や取締役外部評価を行う情報サービス・コンサルティングサービス会社などに細分化するところに、類書にはない大きな特徴を持つ。

目次

 第Ⅰ部 資本市場のゆらぎとCEOの役割
第1章 2014年までの静かな世界とダブルコード導入の意義

第2章 ダブルコードがもたらすエスカレーション

第3章 議決権行使助言会社の功罪

第4章 ESG投資本格参入の心理と論理

 第Ⅱ部 企業価値向上の司令塔としてのCFOの役割
第5章 サステナブル経営を主導するCFO――その新たな役割

第6章 経営者としてのCFOは現在何を考えているのか

 第Ⅲ部 情報開示の新たな視点――IROの新たな役割
第7章 情報開示とサステナブル経営

第8章 統合報告の目的適合性について――財務資本提供者を見据えての情報開示とは何か

第9章 SASBの提唱するサステナブル経営

著者略歴

著:北川 哲雄
第1章、第2章、第3章、第4章、第8章担当。青山学院大学国際マネジメント研究科教授。博士(経済学)。
1975年早稲田大学商学部卒業、同大学院修士課程修了後、中央大学大学院博士課程修了。野村総合研究所およびモルガン銀行調査部等においてアナリスト・調査部長等を歴任。著書に『スチュワードシップとコーポレートガバナンス』(共著、東洋経済新報社、2015年)、『ガバナンス革命の新たなロードマップ』(東洋経済新報社、2017年)、『コーポレートガバナンス・コードの実践 改訂版』(共著、東洋経済新報社、2018年)ほか。
著:佐藤 淑子
第7章担当。日本IR協議会専務理事。日本証券アナリスト協会会員。
1985年慶應義塾大学経済学部卒業。同年日本経済新聞社に入社後、金融広告部などを経て、93年に日本IR協議会に出向。首席研究員、事務局長を経て現職。著書に『IR入門』(共著、東洋経済新報社、1997年)、『IR戦略の実際』(日本経済新聞出版社、2008年)、『経営戦略とコーポレートファイナンス』(共著、日本経済新聞出版社、2013年)ほか。
著:松田 千恵子
第5章、第6章担当。首都大学東京大学院 社会科学研究科経営学専攻教授。
1987年東京外国語大学外国語学部卒業。2001年仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院修了。日本長期信用銀行、ムーディーズジャパンを経て、コーポレイトディレクションおよびブーズ・アレン・ハミルトンにてパートナーを務める。著書に『格付けはなぜ下がるのか』(日経BP社、2002年)、『これならわかるコーポレートガバナンスの教科書』(日経BP社、2015年)、『グループ経営入門 第三版』(財務経理協会、2016年)ほか。

ISBN:9784532322175
出版社:日本経済新聞出版社
判型:4-6
ページ数:352ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ