出版社を探す

日経プレミアシリーズ

安いニッポン 「価格」が示す停滞

著:中藤 玲

紙版

内容紹介

ディズニーの入場料8200円は世界では最安値、 
富裕層が満足できるホテルが日本にはない、 
年収1400万円のSEは海外で低収入、
ダイソー商品は、バンコクでは200円以上……
ときには、新興国からみても「安い」国となりつつある日本の現状について、  
物価、人材、不動産など、さまざまな方面から記者が取材。  

コロナ禍を経てこのまま少しずつ貧しい国になるしかないのか。脱却の出口はあるか。
取材と調査から現状を伝え、識者の意見にその解決の糸口を探る。 

2019年末から2020年にかけて日経本紙および電子版で公開され、
大きな話題をよんだ特集記事の大幅加筆バージョンを新書化。

「日本の賃金はこの30年間全く成長していない」
――年々賃金の上がる諸外国から取り残され、物価も賃金も「安い国」となりつつある日本。

国は、企業は、個人はこれからいったい何をすべきなのか?

百円ショップ、回転寿司、シリコンバレー、インド、アニメ制作会社、京都、ニセコ、西川口……
日経記者が現場から安いニッポンの実情を伝え、その解決の糸口を探る。

「成長を続ける世界から日本は置き去りになり、人材やモノを買い負ける。皆が300円の牛丼に収束していると、いつの日か牛丼も食べられなくなってしまう。
「安さ」は生活者から見ると「生活しやすい」が、供給者の観点では収益が上がらない。すると賃金は据え置かれ、消費が動かず、需要が増えない悪循環に陥る。企業はなるべく値下げせずに最低限まで生産コストを下げたくなる。
果たしてこれで、世界の秩序をガラリと変えるようなイノベーションが生まれるだろうか」(「はじめに」より) 

目次

第1章 ディズニーもダイソーも世界最安値水準――物価の安い国
第2章 年収1400万円は「低所得」?――人材の安い国
第3章 「買われる」ニッポンーー外資マネー流入の先に
第4章 安いニッポンの未来――コロナ後の世界はどうなるか

著者略歴

著:中藤 玲
日本経済新聞社 企業報道部記者
1987年生まれ。2010年早稲田大学政治経済学部卒業、米ポートランド州立大学で国際関係論を学ぶ。2010年愛媛新聞社に入社し、編集局社会部で警察担当として事件事故、地方自治体などを取材。2013年日本経済新聞社に入社し、旧消費産業部と現企業報道部で食品、電機、自動車業界を担当、2018年インド・バンガロールに留学。働き方改革やM&A、不祥事など企業取材を継続。

ISBN:9784532264536
出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:850円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ