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デタラメ

データ社会の嘘を見抜く

著:カール・T・バーグストローム
著:ジェヴィン・D・ウエスト
訳:小川 敏子

紙版

内容紹介

TEDの超単純化プレゼン
自称専門家のドヤ顔解説記事
統計データを歪曲した陰謀論
あなたのスマホは「デタラメ」だらけ!

■なぜ現代はデタラメ社会になってしまったのか?
 デタラメはあちこちにはびこっている。政治家は「ポスト真実」を主張し、科学者はでっち上げを発表し、高等教育機関は分析的思考ではなく思いつきを表彰し、スタートアップ企業は実現できない計画でカネを引っ張っている。さらには、広告業界の自動配信技術によって、ひどい記事にも広告費が落ちるシステムが作り上げられ、結果的に見出し詐欺、パクリ記事、根拠のない陰謀論が世の中にバラまかれている。インテリの巣窟のはずのTEDトークだって、デタラメばかりだ。難しい問題を超単純化したプレゼンをして、いかにも本当らしく話して人々を感心させて騙しているのである。

 だから、「デタラメを見抜く」ことが重要になってくる。なぜならデタラメが蔓延ると、「反論のコスト」が高くなるからだ。
 たとえば1998年、MMRワクチンと自閉症に相関関係があるとしたウソ論文が、有名医学誌「ランセット」に掲載されてしまった。サンプルサイズは12人という統計的に無価値の研究にもかかわらず、2010年まで「ランセット」誌は全面的に論文を撤回しなかった。

■旧型のデタラメ、新型のデタラメ
 デタラメには新旧がある。旧型デタラメは、明らかな嘘、欺瞞、エセ宗教的妄想、選挙のときにしか語られない政権公約という形を取る。だいたいこれがデタラメであることは、見ればわかるケースが多い。
 だが新型デタラメは見抜きにくい。大きな特徴は、数字と科学と統計を引き合いに出して、あたかも厳密で正確なもののように装うことだ。怪しげな主張を、数字、図、統計、画像データで箔付けする。新型デタラメは情報に数値を絡めることで、反論しにくい印象を醸し出しているのである。だが、それを見抜き反撃する方法はある。

 本書ではデータを論理的かつ定量的に考える方法を伝授する。統計学、計量経済学、データサイエンスの知識がなくても、ググる能力さえあれば、偽のデータは見抜ける!

【本書を推薦します!】
ジョージ・アカロフ(ノーベル経済学賞受賞者)
ポール・ローマー(ノーベル経済学賞受賞者)
ソール・パールマッター(ノーベル物理学賞受賞者)

目次

第1章 世の中はデタラメだらけ
第2章 メディア、メッセージ、偽情報
第3章 デタラメの特徴
第4章 因果関係
第5章 数字で描くたわごと
第6章 選択バイアス
第7章 データ・ビジュアライゼーション
第8章 ビッグデータとデタラメ
第9章 科学のもろさ
第10章 デタラメを見破る
第11章 デタラメを正す

著者略歴

著:カール・T・バーグストローム
ワシントン大学生物学部教授
進化生物学者。伝染病の蔓延過程を研究。細胞内の遺伝子発現からソーシャルメディア上の誤情報の拡散にいたるまで、あらゆる種類の情報の流れを研究している。
著:ジェヴィン・D・ウエスト
ワシントン大学情報学大学院准教授
科学技術学および技術の社会的影響について研究。同大学のeサイエンス研究所にてデータサイエンス教育のコーディネーターを務める。同大学のデータラボの共同所長。
訳:小川 敏子
翻訳家。
東京生まれ、慶應義塾大学文学部英文学科卒業。小説からノンフィクションまで幅広いジャンルで活躍。ルース・ドフリース『食糧と人類』、ジャレド・ダイアモンド『危機と人類』(共訳)、アンドリュー・マカフィー『MORE from LESS』ほか訳書多数。

ISBN:9784532177089
出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
判型:4-6
ページ数:416ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年07月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:GPS