健康・栄養科学シリーズ
栄養教育論
改訂第4版
監:医薬基盤・健康・栄養研究所
他編:丸山 千寿子
他編:足達 淑子
内容紹介
管理栄養士の栄養教育活動の理論的基盤・マネジメントを体系的に学べるテキスト.(1)行動科学理論とその食行動への応用,(2)栄養教育の方法論,(3)栄養教育の事例と発展(管理栄養士の活動の実際)の3部門で構成.行政・社会の最新動向,刷新された事例を盛り込み,2015年に改定された管理栄養士国家試験出題基準に準拠した改訂版.
目次
【主要目次】
第1章 栄養教育の概念
A.栄養教育の目的・目標
1 栄養教育の定義
2 栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション
3 栄養教育と生活の質(QOL)
4 栄養教育と他の生活習慣(身体活動,喫煙,飲酒,休養,睡眠)
5 栄養教育の目的
B.栄養教育の対象と機会
1 ライフステージ・ライフスタイルからみた対象と機会
2 健康状態からみた対象と機会
3 個人・組織・地域社会のレベル別にみた対象と機会
C.栄養指導・栄養教育の歴史
1 栄養素の発見と低栄養の克服
2 戦争による食糧不足と栄養失調
3 経済復興と低栄養からの回復そして疾病構造の変化
4 社会・経済構造の変化と食・健康問題の多様化
5 健康教育へのヘルスプロモーション概念の導入
第2章 行動科学理論と栄養教育
A.栄養教育と行動科学
1 栄養教育に行動科学が必要とされる理由
2 食行動変容に必要な栄養教育のスキル
B.行動科学
1 行動の種類(レスポンデント行動とオペラント行動)
2 学習(条件づけ)理論とそのしくみ
C.行動療法
1 行動療法の定義
2 行動療法が対象とする問題
3 行動療法の特徴と利点
D.行動療法における問題解決のしかた
1 行動のとらえ方
2 問題行動の扱いかた
3 問題解決の構造
E.行動療法からみた食行動の特性
1 基本的な生命活動としての食行動
2 人の嗜好と飢えへの適応
3 自発的な食事制限や減食の影響
4 食の行動モデル
5 運動の行動モデル
F.教育に必要な行動の系統的アセスメント
1 身体面,行動面,心理社会面からの系統的なアセスメント
2 身体面のアセスメント
3 行動面のアセスメント
4 心理社会面のアセスメント
G.食行動のとらえかたとアセスメント
1 食事(食行動)の記録
2 食習慣についての質問票
3 栄養教育における食行動のアセスメントの意義
H.健康増進や生活習慣病のコントロールに共通した行動技法
1 目標行動の設定
2 セルフモニタリング
3 オペラント強化法(随伴性の管理)
4 刺激統制法
5 反応妨害(習慣拮抗)法
6 社会技術(自己主張)訓練
7 認知再構成法
8 再発予防訓練
9 ソーシャルサポート(社会的サポート)
0 ストレス管理
I.行動に影響する心理社会的要因
1 行動的教育モデル
2 健康信念モデル(ヘルスビリーフモデル)
3 コントロールの座(ローカスオブコントロール)
4 セルフエフィカシー(自己効力感)
5 行動の意図
6 ソーシャルサポート(社会的サポート)
7 行動変容に対する準備性(行動変容ステージモデル)
J.習慣変容に必要な条件
1 習慣とは何か
2 習慣が変わりやすくなる状況
3 意欲とは選択と決断
4 実生活に即した,役に立つ知識
5 心理的方策としての技術
K.食行動変容と心理
1 うつ病,食行動異常の有無
2 感情面
3 行動レパートリー(スキル)
4 認知的側面
5 心理的側面の把握
L.大規模集団や地域レベルの変化についての行動科学理論
1 イノベーション普及理論
2 コミュニケーション理論
3 コミュニティ・オーガニゼーション
第3章 カウンセリングの基本と栄養カウンセリング
A.カウンセリングとは
B.カウンセリングにおける方法論(問題解決のプロセス)
C.治療者(カウンセラー)-患者(クライアント)関係
1 ラポールの形成
2 カウンセリングの姿勢
3 役割による治療者.患者モデル
D.行動変容面接の実際
1 面接の準備(環境を整える)
2 カウンセリングへの導入
3 大切な情報を聞き取る
4 実行できそうな具体策を一緒に考える
5 記録を具体的に残す
E.対人コミュニケーション
1 コミュニケーションは信頼関係に基づく共同作業
2 コミュニケーションの要素
3 カウンセリング全体を通じたコミュニケーションの留意点
F.栄養カウンセリングのポイント
第4章 組織づくり・地域づくりへの展開と食環境づくり
A.学習段階の発展
1 人間関係・家族関係づくり
2 ネットワークづくり
3 自助集団の形成
4 個人・組織・地域エンパワメント
5 組織づくりと連携
B.食環境づくりと栄養教育
1 食環境の概念
2 食環境づくりの必要性
3 食物へのアクセスと栄養教育
4 情報へのアクセスと栄養教育
5 食環境にかかわる組織・集団への栄養教育
6 食環境整備に関連した法律・制度・施策
第5章 栄養教育マネジメント
A.栄養教育マネジメントとは
1 アセスメント(assessment)
2 栄養教育計画の立案(plan)
3 栄養教育の実施(do)
4 栄養教育の評価(check)
5 評価のフィードバックと新たな問題点の把握:改善(action)・
B.栄養教育の特性
C.栄養教育の対象
第6章 栄養教育のためのアセスメント
A.栄養教育におけるアセスメントの意義と目的
1 栄養アセスメントとは何か
2 栄養アセスメントの目的
B.情報収集の方法
C.アセスメントの種類と方法
1 身体的栄養状態の指標
2 健康・食物摂取に影響を及ぼす要因のアセスメント
D.判定
第7章 栄養教育計画
A.プログラム
1 栄養教育プログラムの基本理論
2 個々のニーズに適応する栄養教育プログラムの立案
B.目標設定
1 目標設定の意義と方法
2 実施目標
3 学習目標(知識・態度・スキル)
4 行動目標
5 環境目標
6 結果(アウトカム)目標
C.栄養教育方法の選択
D.学習形態選択と組み合わせ
1 学習形態の種類と方法
2 学習形態・方法の選択と組み合わせ
E.教材
1 教材とは
2 教材利用の目的
3 教材の提示方法
4 栄養教育教材の種類
F.プログラムの作成
1 学習者の決定
2 全体計画・プログラム案の作成
3 期間・時期・回数・時間の設定
4 場所の選択と設定
5 指導案の作成
6 実施者の決定とトレーニング
第8章 栄養教育の実施
A.栄養教育実施者の技術
1 トレーニング
2 プレゼンテーション技術
3 コミュニケーション技術
B.実施に向けての準備作業
1 予算の確保
2 マンパワー(人的資源)の確保
3 学習者の募集,周知
4 場の設定,設営
C.栄養教育の実施
1 実施状況のモニタリング
2 実施記録・報告
第9章 栄養教育の評価
A.評価の意義
B.評価の種類
1 企画評価
2 経過(プロセス)評価
3 形成的評価
4 影響評価
5 結果(アウトカム)評価
6 総括評価
7 経済評価
8 総合評価
C.評価の手順
D.評価の質を高める
1 評価デザインの選択
2 測定評価項目や手法の信頼性と妥当性
3 評価の妥当性
4 内的妥当性と外的妥当性
E.評価結果のフィードバック
第10章 栄養教育マネジメントで用いる理論やモデル
A.プリシード・プロシードモデル
B.ソーシャルマーケティング
C.生態学的モデル
第11章 ライフステージ・ライフスタイル,健康状態と栄養教育
A.妊娠・授乳期
1 妊娠・授乳期の特徴と栄養教育
2 妊娠期の栄養教育
3 授乳期の栄養教育
B.乳・幼児期
1 乳・幼児期の成長・発達を重視した栄養教育の特徴と課題
2 乳幼児期の食生活の現状と栄養教育のためのアセスメント
3 乳幼児期の栄養教育の目標
4 乳幼児期の栄養教育の内容
5 市町村母子保健事業における栄養教育
6 保育所・幼稚園を拠点とした食育
C.学童期
1 学童の食育の特徴
2 学校を拠点とした食育
D.思春期
1 思春期の特徴
2 思春期にみられる疾患・症状
3 思春期における生活習慣の問題点
4 思春期の栄養教育
5 栄養教育の実際
E.成人期
1 成人期の栄養教育の特徴と留意事項
2 労働と栄養教育
3 地域における栄養教育
4 外食と栄養教育
5 単身生活と栄養教育
6 在日外国人に対する栄養教育・
7 成人を対象とした栄養教育における連携
F.高齢期
1 高齢期の栄養教育の特徴と留意事項
2 高齢期のライフイベント(退職,死別,病気,介護など)と栄養教育
3 介護予防・介護と栄養教育
G.障害者
1 障害者とは
2 障害者に対する栄養教育の特徴と留意事項
3 障害者の共生と栄養教育
H.傷病者
1 傷病者に対する栄養教育の目的
2 栄養教育が適用される疾患
3 傷病者における栄養教育の特徴と留意点
4 医療機関(病院)における栄養教育の実際
5 医療と保健・福祉の連携による栄養教育
付録 栄養指導(栄養教育)と法律
参考図書
索引
ISBN:9784524259663
。出版社:南江堂
。判型:B5
。ページ数:326ページ
。定価:3200円(本体)
。発行年月日:2016年09月
。発売日:2016年09月15日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBN。