栄養・スポーツ系の運動生理学
監:樋口 満
編:湊 久美子
編:寺田 新
内容紹介
“ヒトを対象としたアセスメント→指導”をイメージできる「運動生理学」のテキスト.エネルギー代謝や運動指導に分量を割き,「健康づくりのための身体活動基準2013」,「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に準拠.長文は避け,図表を多く入れるなどの工夫をし,初学者でも苦手意識を持たずに読み進めることができる一冊.
目次
【主要目次】
はじめに
基礎編
1 安静時と運動時のエネルギー代謝
A エネルギー代謝
1.エネルギー代謝とは
2.エネルギー代謝時の燃焼基質
B 1日のエネルギー消費量
1.基礎代謝量
2.食事誘発性熱産生
3.活動時代謝量
C 臓器別のエネルギー代謝
D エネルギー代謝の測定法
1.メタボリックチャンバー法
2.二重標識水(DLW)法
3.ダグラスバッグ法
4.心拍数法
5.加速度計法
6.要因加算法
E エネルギーバランスの評価と現場応用
練習問題
2 運動と身体組成
A 肥満とやせの判定
1.国民健康・栄養調査からみる国民の身体的特性
2.身体組成の内訳と身体組成測定の意義
B 身体組成の測定法
1.二重エネルギーX線吸収法
2.空気置換法
3.皮下脂肪厚法
4.生体電気インピーダンス法
5.磁気共鳴画像法
C ウエイトコントロールと運動・栄養
1.国民健康・栄養調査からみる国民の運動習慣の現状
2.脂肪細胞の新たな可能性
3.脂肪分解・動員と運動強度
4.運動と食事の併用による身体組成変化への効果
練習問題
3 運動と呼吸・循環器系の機能
A 呼吸・循環器系機能の仕組み
1.呼吸系機能の仕組み
2.循環器系機能の仕組み
B 運動時の呼吸・循環器系調節
1.換気量の調節
2.心拍出量の調節
3.血流再分配
C 呼吸・循環器系機能の指標
1.最大酸素摂取量
2.最大酸素摂取量を決める因子
3.測定法による最大酸素摂取量の違い
D 酸素借と酸素負債
練習問題
4 運動と骨格筋の機能
A 骨格筋の構造と収縮の仕組み
1.筋の種類
2.骨格筋の構造
3.運動単位
4.筋収縮の仕組み
B エネルギー供給系
1.ATP-PCr系
2.解糖系
3.有酸素系
4.運動時における3つのエネルギー供給システムのかかわり方
C 筋線維タイプとその特性
D 筋力の心理的限界と生理的限界
E 筋疲労
1.運動神経および神経筋接合部
2.水素イオン
3.無機リン酸
F トレーニングと骨格筋の適応
練習問題
5 運動と中間代謝・内分泌の機能
A 運動と糖代謝
1.無酸素系エネルギー代謝過程(乳酸性代謝機構)~解糖系~
2.有酸素系エネルギー代謝過程~TCA回路・電子伝達系~
B 運動と脂質代謝
1.骨格筋線維(細胞)中のトリグリセライドによるエネルギー供給
2.脂肪組織(細胞)のトリグリセライドによるエネルギー供給
3.運動強度と脂肪動員
4.運動終了後のケトン体生成
C 糖・脂質代謝のホルモンによる調節
1.運動時の糖・脂質代謝のホルモンによる調節
2.安静時(食後)の糖・脂質代謝と内分泌機能
D 運動とアミノ酸代謝
1.身体づくりとたんぱく質・アミノ酸
2.運動のエネルギー源としてのアミノ酸
練習問題
6 環境と運動・栄養
A 運動とストレス
1.ストレスと内分泌系・自律神経系
2.ストレスによる症候群(全身性汎適応症候群)
3.休養
B 温度環境と運動
1.高温環境と運動
2.低温環境と運動
C 気圧環境と運動
1.高圧環境における身体
2.低圧(高地・低酸素)環境における身体
D 無重力(宇宙)環境と運動
1.無重力環境による生理的変化
2.無重力環境と栄養
E 災害時の運動と栄養
1.避難生活と運動
2.災害時の栄養
練習問題
7 体力・運動能力に及ぼす栄養摂取の影響I
A 糖質(炭水化物)
1.糖質の種類
2.運動と糖質
B たんぱく質
1.アミノ酸の種類
2.身体づくりのためのたんぱく質摂取
3.たんぱく質の過剰摂取の悪影響
C 脂質
1.脂質の種類
2.運動時のエネルギー源としての脂質
3.シグナル分子としての脂質
練習問題
8 体力・運動能力に及ぼす栄養摂取の影響II
A 運動とビタミン
1.ビタミンの種類と働き
2.脂溶性ビタミン
3.水溶性ビタミン
4.エネルギー代謝とビタミン
B 運動とミネラル
1.ミネラルの種類と働き
2.カルシウム
3.鉄
C 運動とサプリメント,栄養補助食品
D 運動と水分
1.体水分の分布
2.水の出納
3.水の機能
4.運動中の水分摂取
E 運動前・中・後の食事内容と摂取のタイミング
1.試合前の食事
2.試合中の栄養補給
3.運動後の食事
F 運動時の食事摂取基準の活用
練習問題
9 体力・運動能力の性差
A 体力・運動能力の性差
1.体格・身体組成の性差
2.筋力・筋パワーの性差
3.全身持久力の性差
4.柔軟性の性差
5.成人女性のやせと健康
B 体力・運動能力調査からみた性差
C 女性の運動・トレーニングの留意点と効果
練習問題
10 体力・運動能力の加齢変化
A 成長・発達に伴う身体的変化と運動機能の変化(出生から成人における変化)
1.身長・体重の発育曲線
2.スキャモンの発育曲線
3.運動(身体)機能の変化と運動トレーニングの至適時期
B 加齢に伴う身体的変化と運動機能の変化(成人期以降の変化)
1.身長・体重の加齢変化
2.身体組成(体脂肪量・筋量)の加齢変化
3.身体機能の加齢変化
C 体力・運動能力調査からわかる体力の変化(年齢別体力と年次推移の比較)
1.年齢別の体力
2.青少年期の体力の年次推移の傾向
3.成年期・高齢期の体力の年次推移の傾向
練習問題
11 健康関連体力・運動能力に及ぼす運動トレーニングの影響と遺伝
A トレーニング効果
1.骨格筋へのトレーニング効果
2.呼吸・循環器系へのトレーニング効果
3.運動・トレーニングによる生活習慣病予防
B 健康関連体力・運動能力の遺伝率
1.運動能力の遺伝率
2.筋力の遺伝率
3.持久力の遺伝率
C 運動能力・健康関連体力のトレーニング効果に関連する遺伝子多型
1.遺伝子多型とは
2.筋力に関連する遺伝子多型
3.持久力に関連する遺伝子多型
D 生活習慣病に関連する遺伝子多型とトレーニング効果に及ぼす影響
1.肥満関連遺伝子多型
2.糖尿病関連遺伝子多型
E おわりに
練習問題
実践編
12 健康の保持・増進のための身体活動・運動指導I
A 日本における身体活動・運動の現状
B 健康づくりのための身体活動基準2013
C 健康づくりのための身体活動・運動の疫学
D 身体活動・運動指導の実際
E メディカルチェックとリスクの層別化
F 有疾患者に対する身体活動・運動指導
1.メタボリックシンドローム
2.肥満
3.高血圧
4.脂質異常症
5.糖尿病
練習問題
13 健康の保持・増進のための身体活動・運動指導II
A 日本における高齢化社会の現状
B 加齢に伴う健康問題
C フレイル予防と身体活動・運動
D 骨粗鬆症予防と身体活動・運動
E 認知症予防と身体活動・運動
F 高齢者における運動支援・指導時の注意
練習問題
おわりに
付録
練習問題解答
索引
ISBN:9784524237975
。出版社:南江堂
。判型:B5
。ページ数:208ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2018年10月
。発売日:2018年10月12日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC。