出版社を探す

外来精神科診療シリーズ

精神医療からみたわが国の特徴と問題点

編:原田 誠一

紙版

内容紹介

精神医療からみた現代日本の特徴と問題点を総論的に解説した後,とくに①児童~思春期~青年期,②職場のメンタルヘルス,③超高齢社会~ターミナルケア,④地域におけるケアとメンタルヘルス,⑤依存と嗜癖,⑥暴力と現代,⑦災害~大事故,⑧格差社会~貧困,の8つのトピックス取り上げ,メンタルクリニックがどのように関わり,どのような処方箋を提示できるかに焦点をあてた1冊.

目次

Ⅰ.現在の日本社会の特徴―精神医療の視点からみたわが国の「いま・ここ」の特徴と問題点
1 こころの健康,3つの習慣―療養指導の実際
2 「差別」が臨床の場に進入するとき
3 “コミュ障”を生み出す社会
4 テクノロジーと精神科医療
5 無知なマスメディアと無責任なコメンテーターの問題点
エッセイ
1 日本社会の特徴と精神医療改革の課題―既得権維持文化の変革のために
2 表層化して行く社会における精神医療・精神療法の未来―交流しないことのメリットとリスク
3 現代日本の2つの特徴ー「人間の自然治癒力~レジリエンスの発現/抑制」という視点からみた"変化した/変化していない"問題点
原田論文へのコメント
II.「児童~思春期~青年期」の現在
1 子どもたちは,どう変わったか
2 不登校の背景の変化
3 いじめ被害/加害の影響
4 発達障害をめぐる問題―現状と展望
エッセイ
1 現代思春期事情―思春期の「異能感」と「異質感」という視点から
2 現在の家族の特徴
3 貧困と子どものメンタルヘルス
4 “カワンセラー”からみた現代の子ども
III.職場のメンタルヘルス
1 職場のメンタルヘルス不調者への対応―力動的解釈と精神療法的アプローチの効用
2 勤労者の精神障害―頻度と仕事関連要因
3 ストレスチェック制度の内容と対応
4 メンタルヘルス不調者への対応―安全配慮義務をめぐって
エッセイ
1 教職員のメンタルヘルス
2 成人の発達障害への対応―特に就労後に気づかれた発達障害特性を対象に
3 働く女性のメンタルヘルス
Ⅳ.超高齢社会〜ターミナルケア
1 老いのさまざまな形
2 高齢者の心の健康を支援するために精神科診療所は何ができるか
3 がん哲学外来―Quality of Death
エッセイ
1 遠距離介護における家族支援
Ⅴ.地域におけるケアとメンタルクリニック
1 在宅療養支援診療所の試み―訪問診療中心としたかかわりからみえてきたこと
2 地域包括ケアシステムにおける精神科医の役割
エッセイ
1 アウトリーチの未来像―ソーシャルワーカーの立場から
2 地域包括ケアに向けて精神科診療所が果たすべき役割
Ⅵ.依存と嗜癖―現状とこれからの展開
1 人はなぜ依存症になるのか
2 病としての依存と嗜癖
3 処方薬依存の実態
エッセイ
1 依存症・嗜癖治療の新しい流れ
2 禁煙―外来診療でこそできること
3 カジノ解禁の愚と精神医学会の沈黙
4 ベンゾジアゼピン系抗不安薬―依存形成をどう防ぐか
Ⅶ.暴力と現代―被害者/加害者双方へのアプローチ
1 DV加害者・被害者・子どもへのアプローチ
2 性犯罪
3 児童虐待における援助―被害者と加害者への支援
エッセイ
1 加害者臨床としてのDV加害者更生プログラムーDV加害者に特化された心理療法の展開
2 触法発達障害者へのアプローチ
3 しごき・体罰とスポーツ臨床
Ⅷ.災害~大事故
1 大規模災害・事故時の対応
2 ふくしま心のケアセンターの活動
3 被災地での地域精神保健への新たな取り組み―からころステーションの実践から
エッセイ
1 フクシマでのクリニック臨床から―ポスト震災を生きる子どもたちを通して
2 福八子どもキャンププロジェクトの活動を振り返って
Ⅸ.格差社会~貧困
1 貧困とメンタルヘルス
2 非行・犯罪と貧困—立ち直り支援の観点から
3 格差社会~貧困の子どもへの影響
エッセイ
1 山谷での活動を通して見えてくること
2 母子生活支援施設における自立支援
3 児童養護施設からの自立の支援
4 現代資本主義社会の格差問題をラカンの資本家のディスクールとM's理論により解明する

著者略歴

編:原田 誠一
原田メンタルクリニック院長

ISBN:9784521740089
出版社:中山書店
判型:B5
ページ数:368ページ
定価:8000円(本体)
発行年月日:2017年11月
発売日:2017年11月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ