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離散トモグラフィーとデルタ関数

著:硲 文夫

紙版

内容紹介

離散トモグラフィーとは、限られた情報を手掛かりに全体像を把握するための方法を研究する分野である。CTスキャンや難プレなど、一定のルールに従えば一意に定めることができるものをいうが、それらのルールを取っ払い、統一的に解決する方法が、デルタ関数である。本書は、デルタ関数により、離散トモグラフィーの基本定理を証明するとともに、種々の具体的な問題を解決していく。初学者を前提として、線形代数と微分積分の知識があれば読み進めることができるよう「補説」の章を設け、この一冊で学習が完了できるよう配慮した。

目次

第1章 離散トモグラフィーとは
 1.1 問題の例
 1.2 問題の定式化
 1.3 (0,±1)問題
 1.4 一般論の先取り
 練習問題
第2章 基本概念
 2.1 アレイとそのサポート
 2.2 ウィンドウ
 2.3 零和アレイ
 練習問題
第3章 アレイと線形代数
 3.1 アレイの演算
 3.2 有界なアレイと零和アレイ
 練習問題
第4章 離散トモグラフィーの基本定理
 4.1 トーラス
 4.2 基本定理の紹介
 練習問題
第5章 トーラスT
 5.1 T上の関数
 5.2 可換図式
 5.3 C∞(T)の位相
 練習問題
第6章 超関数
 6.1 超関数の定義
 6.2 超関数の例Ⅰ
 6.3 超関数の例Ⅱ:デルタ関数
 練習問題
第7章 超関数の演算
 7.1 関数倍
 7.2 微分
 7.3 関数の微分と超関数の微分
 練習問題
第8章 超関数のフーリエ係数
 8.1 定義
 8.2 フーリエ係数の線形性
 8.3 微分とフーリエ係数
 練習問題
第9章 フーリエ変換
 9.1 フーリエ変換
 9.2 アレイの位数
 9.3 フーリエ変換と位数
 9.4 超関数の位数
 練習問題
第10章 逆フーリエ変換
 10.1 逆フーリエ変換の定義
 10.2 超関数→アレイ→超関数
 10.3 アレイ→超関数→アレイ
 練習問題
第11章 デルタ関数の特徴付け
 11.1 超関数の台
 11.2 台に関する基本補題
 11.3 デルタ関数の特徴付け
 練習問題
第12章 基本定理の証明
 12.1 基本定理の定式化
 12.2 基本定理の証明
 12.3 n次元への一般化
 練習問題
第13章 基本定理の応用Ⅰ
 13.1 フック型のウィンドウ
 13.2 特性多項式と零点
 13.3 具体例
 練習問題
第14章 連立トモグラフィー
 14.1 連立トモグラフィーとは
 14.2 連立トモグラフィーの基本定理
 14.3 連立トモグラフィーの例
 14.4 周期的なアレイ:定義と記号
 14.5 周期的アレイの求め方
 練習問題
第15章 基本定理の応用Ⅱ
 15.1 L字型のウィンドウ
 15.2 十字型のウィンドウ
 15.3 十字型のウィンドウ:周期解
 練習問題
補説 第Ⅰ章 群
 Ⅰ.1 群と準同型
 Ⅰ.2 部分群
 Ⅰ.3 準同型の核と像
 練習問題
補説 第Ⅱ章 位相
 Ⅱ.1 距離,開球,閉球
 Ⅱ.2 開集合
 Ⅱ.3 閉集合
 Ⅱ.4 連続写像
 Ⅱ.5 連続性の判定法
 Ⅱ.6 点列の収束
 Ⅱ.7 閉包と極限
 Ⅱ.8 Tの位相
 Ⅱ.9 1の分解
 練習問題
補説 第Ⅲ章 線形代数学の基本的事項
 Ⅲ.1 線形空間の定義
 Ⅲ.2 部分空間
 Ⅲ.3 補空間
 Ⅲ.4 基底,次元
 Ⅲ.5 線形写像
 練習問題
補説 第Ⅳ章 商空間と線形写像
 練習問題
集合の記号一覧
練習問題解答
参考文献
索引

ISBN:9784501629304
出版社:東京電機大学出版局
判型:A5
ページ数:240ページ
価格:3200円(本体)
発行年月日:2015年07月
発売日:2015年07月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBP