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ニューロンで解く心の苦しみと安らぎ

脳科学と仏教の接点

著:松本 隆男

紙版

内容紹介

心の苦しみが生まれるメカニズムについて、神経回路(ニューラルネットワーク)をもとにして考察している。本書で示すメカニズムの妥当性は、心理学実験結果および仏教に関わる多くの言葉と対比させながら検証している。心を科学的に捉える一つの方法論を提案しており、脳科学、心理学、認知科学、ロボット工学、AI、哲学、宗教学など、幅広い学問領域で応用が期待できる。

目次

1章 ニューロンのモデルとネットワーク
 1.1 脳とニューロン
 1.2 ニューロンの構造と動作
 1.3 ニューロンの結合
 1.4 ニューロンのモデル
 1.5 Hebbの法則
 1.6 多層型ニューラルネットワーク
 1.7 双安定ニューラルネットワーク
 1.8 結合したユニット間の整合性
 1.9 ニューラルネットワーク全体の整合性
 1.10 相互結合型ニューラルネットワーク
2章 認知的不協和と心の苦しみ
 2.1 認知的不協和の理論
 2.2 認知的不協和の実験
 2.3 心の苦しみの発生,持続,増大そして減少
 2.4 心の苦しみと過去,現在,未来の関係
3章 心の苦しみとニューロン
 3.1 心の苦しみに関わる脳のモデル
 3.2 認知的不協和を表現するためのモデル
 3.3 結合領域のリンクがもつ重みの意味
 3.4 イソップ物語の狐の場合
 3.5 Brehmによる心理学実験の場合
 3.6 Freedmanによる心理学実験の場合
 3.7 不整合度のマップ化
4章 意識の切り替えと心の苦しみ
 4.1 意識の切り替え
 4.2 意識の切り替えと心の苦しみの変化
5章 「苦しみのトライアングル」と初期仏教
 5.1 貪欲と嫌悪と迷妄
 5.2 現実の肯定
 5.3 不二
 5.4 識別作用
 5.5 優越感と劣等感
 5.6 布施
 5.7 持戒
 5.8 忍辱
 5.9 精進
 5.10 禅定
6章 仏教による心の安らぎとニューラルネットワーク
 6.1 慈しみ
 6.2 意識範囲の転換
 6.3 善と悪
 6.4 自我
 6.5 智慧と無明
 6.6 唯識
 6.7 心の観察
むすび
参考文献
索 引

ISBN:9784501554606
出版社:東京電機大学出版局
判型:A5
ページ数:192ページ
価格:2900円(本体)
発行年月日:2016年11月
発売日:2016年11月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MB