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バイオメカニズム・ライブラリー

看護動作のエビデンス

編:バイオメカニズム学会
他著:小川 鑛一
他著:鈴木 玲子

紙版

内容紹介

エビデンスに基づく看護の確立を目指す入門書

 「ボディメカニクス」とは,立位,座位,臥位,など静的あるいは動的姿勢のあり方であって力学に関係する幅広い概念である.人は自然と効率的,能率的に作業を行い,疲労や負担を避けようと自ら努力している.また,エビデンスとはエビデンスベースドメディシン(EBM:evidence-based- medicine)の略で根拠に基づいた医療の意味をもつ.本書では,経験則に頼る医療から脱却し,筆者らが約10年にわたり実験・研究してきたボディメカニクスを意識した看護・介助動作について,有効性や活用事例をまとめた物である.

目次

第1章 ボディメカニクスとは

1.1 ボディメカニクスとは
1.2 看護・介護作業とボディメカニクス
 【コラム1】 ボディメカニクスは役立つか?(看護師の声1)
1.3 ボディメカニクスに関する力学の基礎
 【コラム2】 ボディメカニクス有効性・必要性(看護師の声2)

第2章 重心とボディメカニクス
2.1 対象を小さくまとめる
2.2 対象の重心に近づく
2.3 支持基底範囲内に重心移動を入れる
 【コラム3】 ボディメカニクスとその活用意識(看護師の声3)

第3章 摩擦とボディメカニクス
3.1 背上でみる2つの立場の摩擦被害者
3.2 患者側の背上げによる摩擦
 【コラム4】 ギャッチベッド? ギャッヂベッド?
3.3 ずり上げと摩擦
 【コラム5】 ボディメカニクスと看護環境(看護師の声4)

第4章 力のモーメントとボディメカニクス
4.1 前腕・上腕と力のモーメント
4.2 胴体の前傾と力のモーメント
4.3 ボディメカニクスと力のモーメント
 【コラム6】 ベッドにまつわる褥瘡予防
4.4 力のモーメントの応用
 【コラム7】 ギャッチベッドでファウラー位にする

第5章 適度な速さで動く,動かす
5.1 着座動作にみる速度と安定性の関連
5.2 長座位への体位変換における速度と介助しやすさの関連
 【コラム8】 医学用語・看護用語にみる人名

第6章 自然な動き
6.1 日常の人の動き方を知る
6.2 体位変換
6.3 大切な力の方向
6.4 関節の動きは複雑
6.5 高齢者の緩慢な動き
6.6 自らの臀部挙上により得られた主観
6.7 動くものに対する主観
 【コラム9】 ボディメカニクスと腰痛(看護師の声5)

第7章 テクニカルエイドの活用
7.1 テクニカルエイドの必要性
7.2 身近で最強の電動ベッド
7.3 あると便利なリフター
 【コラム10】 力綱をご存じですか?
7.4 移乗介助支援装置
 【コラム11】 自分の身は自分で守る(看護師の声6)

第8章 人の動きとタイミングを合わせるためのかけ声
8.1 微妙な時間「タイミング」:バケツ持ち上げ動作
8.2 担架の持ち上げにおける合図の効果
 【コラム12】 ボディメカニクス活用はここに問題あり(看護師の声7)

第9章 熟練者と初学者の違い
9.1 手の使い方−その1(下肢挙上)
9.2 手の使い方−その2(会陰保護)
9.3 手の使い方−その3(新生児の沐浴)
9.4 手の使い方−その4(上肢の支え方)
9.5 仰臥位から側臥位への体位変換
9.6 手の使い方−その5(注射器)
9.7 情報の取り込み
 【コラム13】 「ワザ」

参考文献
索 引

ISBN:9784501415709
出版社:東京電機大学出版局
判型:A5
ページ数:154ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2003年01月
発売日:2003年01月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ