台湾学術文化研究叢書
フェイク タイワン
偽りの台湾から偽りのグローバリゼーションへ
著:張 小虹
訳:橋本 恭子
内容紹介
グローバルな環境で製作され、グローバルにヒットした映画『グリーン・デスティニー』は「偽中国語映画」か? 真正品と奇妙な共依存関係にある偽ブランド品は悪なのか? 「国民服」があらわにする植民地の記憶と偽りの伝統とは? 「真の台湾人」は存在するのか? 絶対的な「真」と、非難・排除すべき「偽」という二項対立の外にある「偽」の可能性を様々なレトリックを駆使して考察。凝り固まった常識を揺るがす思考のダンスには複雑な「今」を読み解くヒントが詰まっている。沼崎一郎氏による解説も必読である。
目次
日本語版序 「偽」の不確定性
自序 もしも私が踊れないなら
第一章 緒論 偽りのグローバリゼーションという名
一、真/偽の外にある「偽りのグローバリゼーション」
二、偽映画・偽ブランド・偽台湾シャツ・偽台湾人
三、ポストモダンの「似不像」とポストコロニアルの「四不像」
第二章 ハプティック・グローバリゼーション
一、トランポリンとワイヤー:空中軽功の連続性と非連続性
二、筋肉と内気、剛健と柔軟
三、「ハプティックスペース」と「サイバースペース」の「似不像」
四、グローバル化の耐えられない軽さ
第三章 偽ブランド・偽理論・偽グローバリゼーション
一、日本におけるLVと「東アジア有名ブランドブーム」
二、台湾の史的偽物論
三、相生相剋の偽理論と偽グローバリゼーション
第四章 帝国の新衣装
一、植民地解放運動における服装の焦慮
二、グローバル化した国家元首ファッションショー
三、誰がポスト国家を恐れるのか? 誰が台湾シャツを恐れるのか?
第五章 私たちはみんな台湾人みたい
一、「台客」と「ヒップホッパー」の「似不像」
二、「偽のヒップホッパー・真の台客」というABC文化経路学
三、「台妹」と「辣妹」の「似不像」
四、ポストコロニアル政治と「四不像」のフラッシュバック
後記 もしも私が本物だったら
偽りの解説(沼崎一郎)
訳者あとがき(橋本恭子)
索引
ISBN:9784497217080
。出版社:東方書店
。判型:A5
。ページ数:304ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2017年05月
。発売日:2017年05月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB。