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企業成長のデザイン経営

知的資産の創造的利用、イノベーションと事業性評価

著:古賀智敏

紙版

内容紹介

本書は、中小規模・ベンチャー企業の成長の評価ツールとして広く金融機関で用いられている事業性評価の仕組みを、「デザイン経営」の視点から企業の「競争力の源泉」(デザイン)としてポジティブに活用し、企業の新たな価値創造プロセスの制度設計を目指そうとするものである。テーマの性格上、主に中小規模・ベンチャー企業を対象とするが、企業競争力の向上を目指そうとするデザイン経営の理念は広く大企業を含む産業全般に適用しうるものである。
 企業成長力の事業性評価の仕組みは、単なる造型的なデザインの問題としてではなく、企業の競争力向上という経営の戦略や組織のあり方を目指している。事業性評価もまた同様である。事業性評価を企業の単なる健康体力測定といった仕組みとしてではなく、企業の見えざる競争力を顕在化し、それを戦略的に活用するという、より前向きの「攻めの経営」課題として位置づけ、取り組むべき問題との認識が重要である。本書は、このような視点から、本書を「企業成長のデザイン経営」として特徴づけ、事業性評価の根源的意義と役割を考えていく。

目次

第1章 企業成長のための事業性評価の意義と背景 1
第1節 事業性評価とは何か 2
第2節 金融機関を取り巻く環境変化と事業性評価の必要性
第3節 事業性評価と知的資産ファイナンス
第4節 リレーションシップバンキング,地域密着型金融と事業性評価

第2章 知的資産の創造的利用とイノベーション
第1節 知的資産とは何か:定義・分類・特徴
第2節 知的資産経営と中小企業の競争優位性―OECD プロジェクトの求めるもの―
第3節 知的資産経営と中小企業の競争優位性―日本企業の事例―
第4節 知的資産の戦略的利用と金融機関の融資決定
第5節 知的資産経営と知的資産経営報告書―ドイツ知的資産報告書に学ぶ―

第3章 ビジネス価値創造のための知的資産の評価―方法論と実践―
第1節 知的資産の評価方法
第2節 技術関連の知的資産の評価―特許権など―
第3節 データ処理・コンピュータ関連知的資産の評価
第4節 マーケティング関連知的資産の評価―商標権―
第5節 知的資産としての人的資本の評価

第4章 事業性評価の実践モデル
第1節 ドイツの利益獲得能力指数(ECI)TM モデルの適用可能性
第2節 金融庁のローカルベンチマーク
第3節 事業性評価の定量的モデル

著者略歴

著:古賀智敏
神戸大学大学院博士課程在学中に渡米、イリノイ大学会計修士号MAS取得後、米国大手会計事務所勤務、神戸大学教授・同志社大学特別客員教授等を経て、現在、東海学園大学教授、副学長、神戸大学名誉教授、米国公認会計士、事業性評価教育振興会代表理事。経営学博士(神戸大学)、日本知的資産経営学会会長(2011年~現在)、元国際会計研究学会会長(2011年~2014年)、会計研究学会理事等を歴任。

ISBN:9784495390341
出版社:同文舘出版
判型:A4
ページ数:192ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2020年04月
発売日:2020年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF